• 039月

    みんぽすさんにお借りしているナインウェーブのイヤホン「NW-STUDIO PRO」ですが、ぼちぼちエージングも進んできたところですし、公式サイトでもオススメのハイレゾ音源を試してみました。

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    まずは「ハイレゾ音源」について説明しておいたほうが良いかもしれませんね。
    あまり厳格な定義はないようですが、「CDよりも高解像度な音源」といったところでしょう。
    具体的には20bitや24bitでサンプリング周波数も96kHzや192kHzというものになります。
    このほかにSACDも原理がやや違う(説明は割愛)ものの、ハイレゾ音源といって良いでしょう。
    ちなみに、CDは16bit/44.1kHzです。

    我が家には残念ながらSACDプレーヤーはないですから、音源はMacBook Airです。
    Airの内蔵音源もとりあえず24bit/192kHzに対応しています。
    音楽ソースはe-onkyoなどで配信もされていますが、LessLossというオーディオアクセサリの会社で、そこの機材を使って録音したというハイレゾ音源データが配布されていますから、これを使ってみました。
    実際に使ったのはsteinwayで録音したというピアノ曲と、教会で録音されたバッハのソナタ、それにドラムセッションの3つです。

    まずはiTunesでいっしょに配布されている16bit/44.1kHzと比べてみますが、そもそもこの音源の録音の良さも手伝って、NW-STUDIO PROから本領発揮の素晴らしいサウンドがこぼれだしてきます。
    以前のレビューで「多少録音が悪くてもうまく鳴らしてくれる」と書きましたが、録音が良ければ、さらに本来の性能をフルに発揮してくれるというわけですね。

    ハイレゾ音源になると、一音一音の分離が向上して、ピアノタッチの余韻やプレーヤーの息づかいなどが細かく伝わってくるようになります。
    ここは画像の「ハイレゾ」と似たようなもので、微細な部分がはっきり見えるようになるわけですね。

    ちなみに、NW-STUDIO PRO自身のカタログ上の周波数特性は20-20kHzですが、デジタルでいうところの周波数特性とは違い、アナログ機器ではそこから先がスッパリ出ないというわけではありません。
    私の年齢くらいになれば高域は頑張っても18kHzくらいまでしか聞こえないでしょうが、分解能も24bitに上がっているわけですし、ハイレゾ音源の恩恵は確実に享受できると感じました。

    ただし、それも音源や機材が良くてこそ、というわけで、その点ではNW-STUDIO PROに負けない環境が必要という印象でした。
    そこで、プレーヤーをiTunesからAudirvanaに変更します。
    MP3でもiTunesとの音質差をしっかり体感できるプレーヤーソフトですが、ここでも一音一音の分離がさらに増し、CD相当とハイレゾ音源の違いもより聞き分けやすくなりました。
    USB-DACなどを使えば、さらに素晴らしいサウンドを体感できるかもしれませんね。

    おまけで、SONYのCDプレーヤー「CDP-557ESD」も試してみました。
    こちらはハイレゾ音源ではなく、かなり年季ものの機材ですが、どうやらまだまだAirのヘッドホン端子よりは良い音を聴かせてくれるようです。
    聴き慣れたCDを聴いてみると、録音時の部屋の反響までわかり、またまた音源の中の新しい発見があり、聴くのが楽しくなります。

    聴いていて、ふと、まだ若い頃にわざわざDATウォークマンを持ち歩いていた時代を思い出しました。
    そういう「こだわり」と「楽しさ」、そして「身近さ」が共存できるのもNW-STUDIO PROの良さだと感じます。
    こだわる時は徹底的に音源の中の全てを引き出してくれるし、気楽に楽しみたい時は音源やソースを選ばずに鳴らしてくれるのがありがたいです。

    ただ、気になって他の方の評価も眺めてみると、結構賛否両論なんです。
    低音が出ない、位相が変、こもっている、といった内容が結構あります。
    イヤホン自体の個体差や耳の形状の違いも考えたのですが、それにしても感想に違いがありすぎですよねぇ。

    いろいろ考えてみたのですが、もしかすると装着の向きが関係しているのではないかと。
    私の場合は頭の横に平行に挿しています。
    左右のユニットが向かい合うような形といったらわかっていただけるでしょうか。
    (ここのページの「ノーマルスタイル」みたいな感じ。)

    逆に、私が他のインナーイヤーでたまにしているように、音の出口をやや顔の正面のほうに傾けた挿し方だと、まったくダメで、まさに上に挙げたような酷評の状態になりました。
    逆相のような変な音場になりますし、低音も大きく減衰してしまいます。
    (カナル型の説明ですが、ここのページみたいな感じ。)

    どちらの装着方法が良いかは、それこそ耳の形状にも依存するかもしれませんが、メーカーが想定しているのは、おそらく前者なんでしょうね。
    他のイヤホンだと、どちらの装着方法でもそれほど大きな違いはないケースが多いのですが、NW-STUDIO PROの場合は後者だと本来の性能を出せないのではないかと推測しています。

    また、これ以外にもイヤーパッドを装着しない状態でも低域が不足する症状がありました。
    カナル型のように耳に音を流し込むような形ではないだけに、装着方法にシビアな部分があるのかもしれません。

    そういった相性は存在するようですが、私と、私以上に音にうるさい紗羅には大変高評価なイヤホンであることは確実なようです。
    できれば試聴できる場所を増やして、体験できる機会を増やしてもらえたら良いですね。

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    Filed under: Mono Fellows
    2011/09/03 9:52 pm | NW-STUDIO PRO レビュー ハイレゾ音源編 はコメントを受け付けていません

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