KENWOODからKシリーズのネットワーク機能付きアンプ「A-K905NT」など、いろんな機器が発表されたようで。
とりあえずはハイレゾ、それにDSD対応というトレンドな方向性を見せる「A-K905NT」を紹介してみようかと。
どちらかと言うと、USB-DAC機能搭載の製品の比率が高いオーディオブランドの製品にあって、ケンウッドはDLNAを使ったネットワークプレーヤー機能のほうにしてきました。
ネットワークプレーヤーでもUSB-DDC機能をオマケに付けることも多いのですけど、そこはパソコンからのノイズ対策という一面もあるのかな。
また、iOS機器やUSBメモリなどをUSB接続したり、11月上旬提供予定らしいAndroid/iOSアプリからの再生には対応するなど、完全にパソコンとはワンクッション置きたいという意図が見えるような気がするのは気のせいでしょうか。
さらにネットワークについてもWi-Fiには対応せずイーサーネット接続というのも古風な感じですが、これも安定性を考えてのチョイスかも。
ただ、光と同軸のデジタル入力はありますから、USB-DDCを別途用意すればDSD以外は問題ないでしょう。
DACはWolfsonのWM8718を採用したものですが、ちょっと不思議なのはこのDACチップはDSDにネイティブ対応してないはずなんですよね。
マイナーチェンジしたものが採用されているのか、それとも内部でPCM変換して再生してるということなのか気になるところですが、ネイティブ再生を謳っていないところを見ると後者のような予感もします。
アンプ部分はPWM方式のデジタルアンプで、以前お借りしたこともあるK-521でも優秀さは体感しましたが、今回はさらにLPF前後でのNFBを追加したりして強化しているとのこと。
NFBが効けば確かに歪みは減りますが、そうでなくても音が痩せがちなデジタルアンプでこれが功を奏しているか、ここも気になるポイントです。
方式も考え方もたぶん全然違うのですけど、なんとなくΣドライブを思い出したのは私だけでしょうか。
また、現在はJVCといっしょになってるということもあって、両ブランドの良さを融合して、K2テクノロジーも搭載しています。
ハイレゾ対応といっても音源の充実にはまだまだ時間がかかりますし、ちょっとしたお化粧といった感じで使うには良いですね。
こんな感じでなかなか意欲的な製品だと思うのですが、Kシリーズ全体を見通すとちょっと気になる点も。
下位モデル(?)の「A-K805」を見ると、こちらはCDチューナーアンプということでDLNA機能が省かれています。
そこまでは譲ったとして、こちらはCDプレーヤーが搭載され、さらにUSB/iOS再生ではWAV、FLAC、DSD、Apple Losslessに対応していないんですよね。
ヒエラルキーということなのかもしれないですが、それではKENWOODとして今後の音楽の楽しみ方をどういうスタイルで提案したいのかをブレてしまう気がするんです。
そもそも国内メーカーはオーディオに限らず、こういう上位、下位モデルをラインナップしがちなんですけど、似たような筐体で無理に差別化するのは正直、ラインナップの無駄だと言う気がするのは私だけかなぁ。
まだまだ世界に通用するオーディオブランドとして、今後の音楽の楽しみ方を明確に提示するのはとても重要なことだと感じています。
そうしたライフスタイル自体の提案がないと、単純な性能と価格競争だけではもうオーディオ単体では一般家庭の部屋の中には居場所がないのが実情じゃないかなぁと。
「情熱が沸き立つ音を聴きたい」が今回のKシリーズのキャッチフレーズのようですが、私としては「情熱が沸き立つKENWOODが見たい」と思いますから、ちょっと苦言になったところもありますけどね。
どうも近日中に拝聴する機会がありそうな予感ですし、そこで見聞きできたらまた書いてみたいと思います。
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