KORG謹製のオーディオプレーヤーソフト「AudioGate 3 Player Version」がようやく公開されていたので、早速試してみました。
Windows版とMac版がありますが、私が試したのはMac版です。
Player Versionは本来昨年末に公開予定だった「AudioGate 3」からエクスポートやディスクの作成、ゲイン調整などの編集機能を省略したバージョンです。
さらにPlayer VersionもKORG製品を持っていないとライト版として使う形になります。
ライト版には以下の機能制限があり、起動のたびにライト版を選ぶダイアログが出ますので一種の体験版的な意味合いが強い印象です。
・KORG Inc.および各国ディストリビューターのユーザー・サポートを受けることができません。
・96kHz,192kHzなどのPCMのハイレゾデータ、2.8/5.6MHzの1ビットオーディオのデータも再生することができますが、出力サンプリング周波数が48kHzまでに制限されます。
・リアルタイム変換の「高品位」の使用が制限されます。
なお、起動後にDockに表示される「Audio Gate Browser」ではなく、「AudioGate」側をDockに登録しないとアクティベーション絡みでプロセスが抜けてしまうようなので注意が必要です。
またMac用のインストーラーはPKGなんですが、これを普通にクリックすると「開発元が未確認のため開けません」が出てGateKeeperに引っかかります。
フリーソフトなどでは良くあることですが、メーカーから出ているものとしてはちょっと信頼感が低い印象ですね。
また実際の動作も正直安定しているとは言いがたく、とりわけAudirvana Plusなど、他の再生ソフトとの相性が悪いようです。
比較のため、Audirvana Plusを起動中に立ち上げようと思ったらなぜか白い画面が出たまま終了できなくなってしまい、以降は強制終了して再度起動しても同じ状態に…。
再インストールしたら起動できましたが、逆にAudioGate 3起動中(当然再生は停止中)にAudirvana Plusで再生しようとしても、Direct Modeでは再生ができない(Audirvana Plusはハングはしません)状態になりました。
さらには何度か再生中に、突然ランダムビットを再生したような音が混じった強烈なノイズ音が再生されたケースがあり、正直ここで試用はストップしました。
試用中止前に音質面も軽くAudirvana Plusと比較してみましたが、AudioGate 3のほうがすっきりした定位でKORGらしい、まとまりの良さを感じました。
Audirvana Plusのほうは比較して聴いてみると定位がやや曖昧に散る傾向が出る楽曲もあり、一部に位相回転などがあるのかもしれません。
あまり派手な音作りではありませんが、Audio Gate 2よりは明らかに純度が高くなった印象で、音そのものはかなりクォリティが高そうです。
その分なのかどうかわかりませんが、CPU負荷は割りと高めで、うちのMac miniだと再生時ずっと12~13%程度をキープしています。
Audirvana Plusはバッファ中は23%くらい行きますが、その後メモリバッファに入ると0.4%程度になるので、どちらがリアルタイム処理の傾向が高いのかもしれません。
UIもAudioGate 2とは比較にならないくらいリッチになっていて、スキンもいくつか用意されていたりします。
フルスクリーンモードなどもありますが、再生ソフトの操作性という部分は特にそれほど充実しているわけでもなく、そういう意味ではAudioGate 2をちょっと化粧直しした、くらいに考えておいたほうが良いかも。
iTunesのライブラリからの楽曲取得などの機能もありましたが、残念ながらさきほど挙げたトラブルもあり、現バージョンでのそれ以上の試用は止めておきました。
当初の公開予定が大幅に遅れ、Player Versionになった理由がなんとなく分かるようなソフトウェアとしての完成度ではありますが、何より音に魅力があるというのは将来的には有望かと。
Windows版のほうはもしかするともうちょっとしっかり洗練されている可能性もあるので、いち早く試してみたい方は挑戦してみるのも良いかと思います。
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