Olasonic完全読本の付録Bluetoothヘッドフォンアンプ「OLA-BT1」ですが、入手以来、ブログ記事を書くときの最良の友になっています。
PCオーディオでスピーカーから音楽を流しながら…というのがこれまでのパターンだったんですが、そうすると音楽に集中できなかったり、音楽を聴きこみ過ぎてブログ記事を書く手が止まったりするんですよね。
その点、OLA-BT1とイヤフォンで聴いていると集中できるんですよ。
それがある意味、音質をポエム的に語る以上に全てを物語っているかなと。
それだけではさすがにレビューの体をなしていませんから理由を考えてみますと、適度なナローさと温かみのあるサウンドが良いのではないかと。
前回も書いたとおり、OLA-BT1のBluetoothコーデックにはSBCが採用されていますが、あえてアナログ部分のほうに重点を置くことで、「一聴、良いな」と感じるようなデモ向けのチューニングにはせず、長く広い用途で使える仕上げにしてあるんだと思います。
これも前回、古き良きカセットテープを思い出す、と書きましたが、音が悪いという意味では決してなく、上下のバランスを絶妙に取ってあると思うんですよね。
最近の「ハイレゾ」の帯域は高域ばかりに目が行きがちで、低域はそこまで伸びていない(伸ばせない)ケースも多いかと。
その点、OLA-BT1は低域の量感もかなりしっかりしたもので、そこも昔使っていたNakamichiのカセットデッキを私に思い起こさせたのかもしれません。
カセット自体、最近ひそかなブーム!?なんて話も聞きますが、真空管アンプやレコードプレーヤーのような世界観を持った仕上がりだと感じます。
どうしても懐古趣味的に捉えられてしまいがちかもしれませんけど、OLA-BT1も含めて情報量自体はしっかりしていて、むしろリミッターやコンプレッサーに頼り過ぎな現代へのアンチテーゼのようにも思えてなりません。
やや年寄りくさく押し付けがましいレビュー内容になってますが、OLA-BT1自体は全くその逆でして、とにかくずっと聴いていられる穏やかさを備えています。
感度が高く低インピーダンスのイヤフォンではさすがにホワイトノイズが目立つケースもありますが、市販のポタアンでも良くあるレベルで、10モデルほど揃えたとしたら4~6番目くらいと中位だと思われます。
音源にはiPad miniを使うことが多いですが、純粋に音質だけでいうとMac miniのほうが少し良さそうです。
Macの場合、SBCの音質をどうやらbitpool値を変更することである程度調整可能らしく、以前にそれを少しイジってあるのが効いているのかもしれません。
ただ、これが最新のOSXでも有効かは分かりませんし、システム設定を変更するものですので、くれぐれも自己責任で実施してください。
電源には今のところモバイルバッテリーを使っていますが、eneloop mobile boosterとmaxellのを試してみたところ、意外とmaxellのほうが歪みが少なくて良い印象です。
モバイルバッテリーといっても内部の電池はおそらく3.6Vで、DC-DCコンバーター経由で5Vを出しているでしょうから、その辺りの回路の差で音が違ってくるのかもしれません。
なお、OLA-BT1の基板上ではこれをさらにレギュレーターで4Vに変換しているようです。
ヘッドフォンやイヤフォンもいくつか試しましたが、「これじゃちょっと満足できないなぁ」と思っていたような廉価なイヤフォンが「これ、意外とイケるじゃん」と思わせる不思議なところがあります。
最初にも書いたように無闇に帯域を欲張らず、しっかりしたアナログ回路でイヤフォンやヘッドフォンのドライバーユニットを強力に駆動して手懐けてくれるのかもしれませんね。
もちろん、お気に入りのイヤフォンであれば、さらにそれ自身の実力との相乗効果もしっかり体感できる懐の深さも持ちあわせています。
ここまで良いと「Bluetoothでなくアナログ入力があったらどうなんだろう?」とつい欲が出てきますが、そこは付録としての体験版的な意味合いと全体としてのチューニングと考えるべきでしょう。
音の傾向やニーズが適合するのであれば、迷わずオススメできる仕上がりだと思います。
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