• 278月

    ACOUSTIC REVIVEさんからお借りしたMMCXケーブル「REC-130SH-R」ですが、エージングもそろそろ大丈夫かなと、音質について書いていこうと思います。

    th_DSC00582_LR5

    まず大まかな音質傾向ですが、アコースティックリヴァイブらしい純度の高い透明感があるもので、高域の見通しが良いのが特徴的です。
    エージング前はやや電子音っぽい響きが付く印象がありましたが、聴きこんでいくにつれてだいぶ収まってきて、純正ケーブルでは聴こえてこなかった部分まで多くのサウンドが引き出されてきました。

    音傾向としてはやや現代的な方向で、SHUREのややかまぼこ型っぽい抑制された傾向を開放する方向に音が変化しています。
    また、SEシリーズの遮音性の高さによる音楽への没頭感に加えて、ドライバー自体の持つ能力を最大限に引き出して、さらに音楽に楽しく集中できるものです。

    一方、優れたケーブルであるがゆえにSE215の限界も見えてくるのもまた現実です。
    中高域がやや前に出てくる傾向もあり、エージングが進んでもこの辺りの帯域に不自然さが若干残っています。
    SE215自体、1ドライバーで帯域をカバーする関係上、やや低域寄りに振ったセッティングだと感じているので、高域にやや無理をしている部分の粗が見えてくるのかもしれません。
    また、音茶楽さんがカナルタイプで外耳道での共振を指摘する6kHz周辺の帯域と重なる領域でもあり、そこをSHUREはフィルタやハウジングに加えて純正ケーブルでも総合的に抑えこんであったところが表出している面もあるでしょう。
    ただ全般には、元々の中域に厚みが付く純正ケーブルの傾向から、フラット志向になり、良い意味でSHURE臭さが薄まる方向です。

    なお、欠点が見えてくるのはSE215だけではなく、プレーヤーや音源の違いも相当ハッキリしてきます。
    完全にピュアオーディオ的な傾向で余すところなく再現することから、ボーカルの微妙なリバーブやエコーのさじ加減などもしっかり聴き取れてしまいます。

    SHURE SE215

    ここまで聴き進めたところで、あえて元の純正ケーブルに戻してみました。
    高域が目立たないので低域の量感が豊富に感じますが、全般的にはナチュラルなバランスではあります。
    ただし、情報量は激減して、ある意味、BGM的な鳴り方です。
    iPodやiPhone直挿しであれば、むしろ色んな部分(音源も含めて)の粗の見えない、このままのほうが聴きやすいかもしれません。

    th_DSC00574_LR5

    ちょっと聴いたところで結局やっぱりすぐにREC-130SH-Rに戻すと、これは全く別のイヤホンなのか、というくらいに変化します。
    正直、リケーブルは「底上げ」程度にしか考えていなかったので、変化の度合いの大きさにはかなり驚いています。
    とにかく音数が増えるというのが最大の印象で、そこに魅力を感じればリケーブルの価値は大いにあると思います。
    逆にすでに今のケーブルでバランスに不満がないなら、他の部分の粗が見えてしまって本体やポタアンなどをグレードアップしたくなる、という罠もありそうなくらいです。

    もちろん今回の感想はSE215での印象ですので、価格バランスとしてはやや悪いのかな、とも正直感じています。
    価格的にはREC-130SH-Sくらいが良いでしょうし、逆に上位モデルではダイナミック型ドライバではなく、BAユニットのマルチも多くなってきますし、可能ならば試聴してみてチョイスされるのがオススメかもしれません。

    (当サイトでは、Amazonアソシエイトをはじめとした第三者配信のアフィリエイトプログラムにより商品をご紹介致しております。)

    Filed under: Audio
    2014/08/27 7:00 pm | 10 Comments

10 Responses

WP_Lime_Slice
  • shigechan Says:

    今晩は。

    激変のようですね〜。でも楽しめそうで、悩みどころです(^^)

  • MacBS Says:

    shigechanさん、コメントありがとうございます。

    据え置きオーディオのスピーカーケーブルでもここまでは変わらないような気がしますね。
    ホットとコールドを配線だけでも同一導体にしているのが差としては大きいのでしょう。
    音傾向はもう好みの段階なので、なんとも言いがたいところです。

  • shigechan Says:

    今日は。

    やっぱり耳元で聞こえれば差が分かり易いですね。ホットとコールドで同じ線材を使わない方が不思議な感じでした(^^ゞ

  • MacBS Says:

    shigechanさん、コメントありがとうございます。

    たしかにヘッドフォンのほうがモニタリングしやすいというのはありそうですね。
    ステレオミニプラグや断線対策、ケーブル自体の重さの制約などあって、理想とはずいぶん離れたところになりがちなのでしょう。
    ただ、SHUREの純正ケーブルも他メーカーから比べればなかなか立派なものだと思いました。

  • shigechan Says:

    MacBSさん、今晩は。

    出来心でポチりました:130SH-Rです。寝る時に躍動感のある音を聴くと、聴き込んでしまうのか直ぐさま寝付くのか興味があります(^^ゞ

  • MacBS Says:

    shigechanさん、コメントありがとうございます。

    ご購入、おめでとうございます。
    今朝も早く目が醒めてしまって、聴き始めたら二度寝できましたから大丈夫かと。
    あとはSE535との相性次第ですね。

  • shigechan Says:

    今晩は。

    今日届いたので早速エージングを始めます。切れ味の良い音だと良いなぁ
    (^^)

  • MacBS Says:

    shigechanさん、コメントありがとうございます。

    早速到着とは早いですね。
    良い意味でSHUREっぽい部分を少しスポイルしてくれる方向だと思うので、うまく好みにハマることを願っております。
    ちなみにエージングが進む前は高域がややアコースティック感に欠けるところがありますが、20時間くらいで落ち着くと思います。

  • shigechan Says:

    今晩は。

    まだ30時間程度のエージングかと思いますが、聞いた感じはオヤイデのケーブルともちょっと違うようですね。オヤイデも低域〜高域まで良く出ますが、本品は音の出方が鮮烈ですね。
    もちろんやかましいとかではなく、こんな音が入っていたのか!とか、こんな音だったんだ!みたいな新鮮な驚きを感じる音の出方です。

    アコギの弦がすれる音とか、サックスの息づかい、シンバルの金属音や残響、ヴォーカルの息継ぎや微妙な変化の再現性が上がったように感じました。SACD等の高音質ディスクからサンプリングした信号は、とても楽しめます。

    また打ち込み系の音源としてPointer Sistersを聞きましたが、これが生き生きとした音に聞こえたので、びっくりしました。かつてCDプレーヤーを交換した時のような驚きでした\(◎o◎)/!
    打ち込み系はフラットでメリハリ無く聞こえる場合が多いですから、これはなかなかの効果であると確信しました(*^^)v

    iPod/AAC256kbpsで聞いてこれだけの変化ですから、ヘッドホンと組み合わせた実力は相当なものでしょう。

    MacBSさんのレビューをきっかけに、良いものを手に入れることが出来、感謝です(^-^)/

  • MacBS Says:

    shigechanさん、コメントありがとうございます。

    「こんな音が入っていたのか!」というのはホントにその通りですね。
    純正ケーブルがフィルター的な役割も果たしていたのかな?と思ってしまうほどです。
    他のアコリバのケーブルもオススメですので、機会があればぜひ。(無料貸し出しもありますし。)