• 254月

    ACOUSTIC REVIVEさんからアコースティック・コンディショナー「WS-1」を4枚お借りしました。

    私自身、以前から欲しいものリストに入れてあった品ですし、最近、Twitterのフォロワーさんの間でもルームアコースティックに取り組まれてる方が増えていたので、お願いした形です。
    WS-1の特徴はまずコンパクトであること、そして表面に使われている高級シルク材「BON」でしょう。
    さらにホールガーメントという無縫製ニット丸編機で編まれたシルクニットで覆われているのが特徴です。

    質感もオーガニックな雰囲気ですし、表面もニットによる適度な凹凸を持っていて、見るからに固有の音色が少なそうに感じます。
    裏面にはベルクロテープが縫製してあって、WS-1本体からテープ部分が剥がれることはありません。
    逆にWS-1本体はシルクということもあってか、両面テープなどでも剥がれやすく、場所決めするために何度も貼り直しているとたびたび落下して少々苦労しました。
    場所が決まれば本来のベルクロテープに付いている両面テープを使えば良いわけですが、それまでは何度かテープを貼り直してチャレンジするのが良いかと思います。

    そんな場所決めですが、かなりいろんな場所で試しましたが、小さいサイズなのに効果はかなり大きくて驚かされました。
    さすがにこの大きさですのでどちらかと言うと中域〜高域にかけての効果のほうが大きめですが、しっかりスポットにハマると余計な間接音が大きく減少するのを体感できます。

    まずは以前から気になっていて自分でもフェルトなどを貼ってみたりしていた、リスニングポジション背後のクローゼットの扉に貼ってみました。
    背後なんですが、正面の音像がスッとクリアでシャープになります。
    余計な響きが減って、回り込みがなくなるおかげなのでしょう。
    逆に扉の形状からリスポジより少し右寄りにズレて貼ってあったのですが、そうすると定位が左に寄ってしまうという現象が起きてしまったほどです。

    次はスピーカー横で試してみました。
    WS-1の説明書には推奨の配置も掲載されていて、それによるとツイーターの高さくらいが推奨されていますが、最初は少し低めから調整していきました。

    こちらも音像がとてもシャープになり、間接音が大幅に減少してるのが体感できます。
    なにしろスピーカーに比して部屋が狭く、音の広がりを求めるあまり、スピーカー横のスペースがあまりない配置になっているので、壁面とのクリアランスが絶対的に足りていませんでした。
    こういう場面でも広がりを諦めず、ルームアコースティック側で改善が図れるのは助かります。
    また、とてもコンパクトなので配置できない、邪魔になる、視覚的にイヤ、といったようなことがないのも非常に良い点です。

    自作のピラミッド型パネルとも併用してましたが、自作のほうは単純に拡散されるだけなのに対して、WS-1のほうは適度に散乱されつつ、吸音も施されて、余韻がとても美しくなります。
    かと言って、極端にスピーカーからの直接音が際立つわけではなく、正面の音場がとてもクリアに広がります。
    おそらく、部屋の残響と混ざることによって濁っていたのが軽減されたからだと思います。

    高さについては試行錯誤した結果、やはりツイーターの高さくらいが良いようです。
    わざとかなり低めにしてみたりもしましたが、それだと何故か高域のヌケがとても悪く、ハイ落ちのような印象になったり、音像もやや中抜けっぽさが出てしまいました。
    コンパクトながら効果が大きいWS-1ですが、やはり中域より上の吸音効果が高く、低域に関しては拡散が主体で多少の反射も伴うのかもしれません。
    もちろんスピーカーのほうのセッティングとも絡むと思いますが、色々試してみた経験上はどうもWS-1は高めの位置に配置したほうが良好な結果が得られる気がします。

    一旦は上記の設置にしたのですが、ほぼ同時にRWL-3もお借りした関係で、それも含めて調整する場合はどうやら天井近くの壁に貼ると「音場の高さや広大さが出ます」というアドバイスをいただいたので、それを試してみることに。
    まずはスピーカー背面と前面の部屋の四隅に1枚ずつ配置してみました。
    全体的に部屋がデッド寄りになり、ちょっと溜まり気味だった中低音がだいぶスッキリします。
    こうやって聴いてみると、今までは気づきませんでしたが、ずいぶんと部屋の響きも一緒に聴いていたのだと気づかされます。

    これを貼り付けてる際、音楽を流しながら椅子に登って作業をしていると、スピーカー前面(リスニングポジション後方)の四隅上部で異常なほどボンボコと中低音が響いてるのに気づいてしまいました。
    これまでは床が弱くて響いてるのだろうと思い込んでいたのですが、こんなところに溜まっていたのですねぇ。(もちろん床の問題もあるでしょうけれど。)

    そこでスピーカー背面は後日レビューさせてもらうRWL-3に任せて、WS-1はリスニングポジション後方上部に集中投入することに。
    2枚は隅に、1枚はリスニングポジション真後ろの上部、もう一枚はリスニングポジションの真上辺りに配置しました。
    これがベストか?と言われるとまだ色々試してみたい気もしますが、あの椅子の上で聴いた残響を耳にすると少なくとも後ろの3枚はココで決まりかなと。

    色々と配置を試して、「貼ってみたけど効果が分からない」ということは、よっぽど素晴らしい響きの部屋でなければあり得ないということだけは確実に言えるでしょう。
    むしろ変化が予想外に大きいので、思い込みで貼ってみて想定していた効果と違うケースはあるでしょう。
    そうした場合は説明書で推奨されているものも参考にしつつ、なるべく高い位置に試行錯誤しながら配置決めすると良い結果が得られそうです。
    また1枚からでも十分に効果を体感できると思いますので、ルームアコースティック入門にももってこいのアイテムとしてオススメできる製品だと思います。

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    Filed under: Audio
    2017/04/25 12:00 pm | ACOUSTIC REVIVE WS-1 レビュー 配置編 はコメントを受け付けていません

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