Accuphase AC-2がメインカートリッジの座を担っているのですが、なにぶん古いのと針交換ができないこともあり、普段使いできるカートリッジがあったほうが良いなぁと思うようになりました。
すでにカートリッジは10数本持っているのですから、その中から選べば良いのですけど、カンチレバーの素材による差がとても大きいのを体感したせいもあり、ボロンを試してみたくてたまりません。
しかしボロンの不足から現行製品もほとんどなく、中古ですらお値段も高く諦めかけていたところに、今回のDL-103ボロン改を見つけました。
DL-103にはいろんなバリエーションがあって、過去にはボロンカンチレバーを搭載したDL-103Mという製品もあります。
しかしコレとは違い、今回入手したものはごく普通のDL-103のカンチレバー(と針)を換装してしまったものです。
ノーマルのDL-103(左)と並べてみますと違いが分かりやすいかと思います。
カンチレバーがノーマルより細めのボロン素材になっていて、チップはダイヤモンドのマイクロリニア針(オリジナルは丸針)です。
ただ、ダンパーや発電機構などはオリジナルのままですから、針圧は基本的にはオリジナルに近い設定で使うことになります。
DL-103Mはずっと軽針圧でしたが、あれは空芯になっていたからでしょうし、今回のものは鉄芯のはずです。
そう言いながらも「ちょっと軽いほうが良いのでは?」とちょっとずつ針圧を替えながら試しましたが、2.3gだともう軽すぎるなという印象が出てきます。
2.5gだとややカンチレバーへの負担が大きそうに見えましたから、間を取って2.4gとすることにしました。
ちなみにインサイドフォースは1.5gも試しましたが、2gのほうが良いようです。
気になる音質ですが、DL-103のダイナミックさを残しつつ、現代的な方向になっています。
ボロンになったことでリニアリティが向上したことも大きいですが、針形状が変わったことによる高域の伸びと歪みの現象が大きいように思います。
内周歪みはかなり大きな差ですし、外周でもかなり高域の透明感が違います。
それでいてDL-103の持っているMCっぽさが強くなりすぎない力強いところも残されています。
丸針だとスクラッチノイズが少ないというメリットもありますが、その点もオリジナルの良さが残っているようで、AC-2と比べるとパチパチは少なめです。
サーというサーフェスノイズはそれなりにありますけどね。
ただ、情報量でいうとさすがにAC-2のほうがやや多いようで、それがカンチレバーの素材によるものなのかは分かりませんが、DL-103の範疇を大きく超えるというわけではないでしょう。
ただ、AC-2は設定に非常にシビアでして、そういう点ではDL-103ボロン改のほうがそこそこラフでも位相や定位が安定しているように感じます。
ボロンのほうがアルミと似た感じで、ある程度カンチレバーが吸収してくれるのかもしれません。
また、付属していたパイオニアのヘッドシェル「JP-502」がカーボンファイバーなのも良かったのかも。
リード線なども付属のままですが、今のところバランス良く鳴ってくれてる感じなので、当面はそのままで使いつつ、山本音響工芸さんのヘッドシェルなども、いずれは試してみるのも良いかな、なんて思ってるところです。
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