AccuphaseのSACDプレーヤー「DP-77」を導入しました。
SACDを含めて大量のソフトを譲っていただけるという話をいただき、色々と紆余曲折を経てSACD再生環境を整えたいということからのチョイスです。
もうちょっと導入時期をじっくり見定めるべきかなと当初は思っていたのですが、メーカー点検に出されていてピックアップが交換済みの出物を見つけたので、そうなると機会を逃さないほうが良いかなと。
Accuphaseの初期のSACDプレーヤーはソニーのピックアップが払拭している、との噂で修理不可だと耳にしていましたが、Accuphaseにてメーカー修理されていました。
その辺りの細かい事情はちょっと分からないですけど、修理票を見る限り、今回のものを修理に出した段階(昨年)では交換可能だったようです。
DP-77は2002年のモデルで、これまで愛用していたDP-70Vが1990年ですからずいぶん新しくなった(?)ことになります。
DACチップはAD1853が使ってあり、たしかコレはDSD入力に対応してないはずです。
同社のMDS plus方式はどうやら内部でDSDからPCM変換してアナログにしているのだと思います。
詳細は分かりませんが、MDSDが搭載されるまでは同様の手法だったのではないか、と推測します。
そういう意味ではSACDをネイティブ再生している、とはいえないのかもしれませんが、そもそもDACチップ内の処理も各社様々ですから、あまり拘っても仕方ないかなと、
一旦、仮置きで動作確認した後、ラックに収納しましたが、重さは17.7kgと軽い(DP-70Vは24.3kg)ものの、高さがちょっと高いので、これまで下に敷いていたヒッコリーボードがギリギリ入りません。
スタック式のラックなのでもう一段足すのも良いのかもしれませんが、DP-70Vをリビングに移動させてHD-7Aを再導入するので、ひとまずそこにヒッコリーボードを使うことにしました。
順序は多少前後しますが、仮置き状態でDP-70Vとの比較試聴をしてみました。
これまでもCDプレーヤーは壁コンからのタップで使っていて、クリーン電源を通していませんでしたが、今回も同じ形です。
理由は定かではないのですが、どうもクリーン電源のトランスに唸りが出てしまうんですよねぇ。
そもそも容量的にもギリギリですし、両者を比較する上でも条件を揃えるのが良いでしょう。
まずはCDを聴いてみましたが、DP-70Vはもちろん、DP-75ともまた違った雰囲気です。
年代的なこともあるのか、新しい世代のアキュフェーズの音にやはりだいぶ寄ってきている印象を受けました。
どこまでも透き通っていて棘がなく、音の広がりが心地良いですね。
CDにつきまといがちな堅さがなく、純粋に音楽が楽しめるサウンドにまとめてあるように感じます。
一方、DP-70VのほうはCDフォーマットを愚直なまでにダイレクトに出してくる感じです。
良くも悪くもCDの枠を出ないところはありますが、それゆえのキレの良さはあります。
ただ、余韻の表現や静寂感など仔細な部分の情報量はやはりずいぶん違いますし、その分、ドライな印象もあります。
また、中域が濃いのは時代的なところもあるかもしれません。
再度、DP-77に戻しますと、やや繊細で重心が高いところはありますが、余韻がここまで美しかったのか、と感じる場面が何度もありました。
最近のプレーヤーはそれを意識しすぎてリバーブっぽさを感じてしまうような一面もあるように思いますが、そこまで過剰ではなく、音楽表現の機微がとても良く分かるところに抑えられています。
DP-70Vよりもずいぶん湿度感があり、しっとりとした音の広がりを楽しめる印象で、音場はやや奥まって展開される傾向です。
ただ、その音場の精度は格段の進化で、CDの段階ですでに上質の音源になっているような印象を受けました。
雰囲気的にはアップサンプリング時の効果に傾向が似ているので、どちらが本来のCDとしての出音か?というのは好みも分かれるところかもしれません。
ただ、SACDプレーヤーの中にはCDの音がイマイチ…というものもわりと多い印象でしたから、CDがここまで鳴ってくれれば十分満足です。
そしてSACDに至ってはその静寂感に大幅な違いが感じられます。
どうやらS/N比などのカタログスペックだけでは語れない部分があるようです。
プレーヤー自体の音の良さというよりも、SACDソフト自体の音作りも関係しているのでしょう。
SACDハイブリッドであっても、そもそもCDと違って敷居が高いだけに「ゼネラルオーディオお断り」的なマスタリングが許される、むしろそれが期待されるところによるものが大きいのではないかと。
もちろん、それをしっかりと引き出すプレーヤーでもあるというところです。
デジタル入力も用意されていますから、X-DDC経由でパソコンからのハイレゾ再生も試してみました。
あいにく96kHzまでの対応ですが、それでもこれまで試したパソコン再生とは格の違いを感じさせてくれました。
トランスポートの重要性を感じたばかりですが、そうはいえどもやはりDACの違いもやはり相当のものがあるようです。
厳密にはDACというよりもその後のアナログ部、そして電源部の違いなのでしょうね。
この辺りはHD-7Aとゆっくり比較していきたいと思っていますので、また後日紹介させてもらえればと思います。
厳密にはまだ時間が足りてないのと、音場表現に違いがあることもあり、スピーカー周りのセッティングから見直す必要性も出てきて、完全にDP-77の真価を発揮できている、と言えないところもあります。
逆に言えばそれだけシステムの底上げができたということですし、ここからは焦らず追い込んでいきたいところです。
|
|
(当サイトでは、Amazonアソシエイトをはじめとした第三者配信のアフィリエイトプログラムにより商品をご紹介致しております。)