• 086月

    手持ちのポタアン2台ともACアダプタの調子が悪くなったので、色々検討した結果、やっぱり同じALO audioの「Rx」(型番でいうとALO-4402)を入手しました。

    当初は真空管を使ったことがないのでContinental V2あたりを狙ってみようかと思ったのですが、ACアダプタがThe Nationalと共通ですし、ALO audioの他の中古もなぜかACアダプタが付いてないものが多くてちょっと不安があってやめました。
    その点、RxはmicroUSBでの充電ですので、付属のACアダプタが壊れても安心ですからね。

    もう一つの理由はイヤフォンでの使用が大部分だということに気づいたためです。
    使うのは寝る前に音楽を聴く時や出張で外出する際、あとはiPhoneでYouTubeなどの音声をしっかり確認したい時ですが、Rxなら前者2つは満たせますし、この時には自ずとヘッドフォンではなくイヤフォン使用になるなと。
    後者を考えてJVCのSU-AX7などもちょっとだけ候補に挙がったのですが、音傾向としてはやはりALO audioのほうが私にとっては安心感があります。

    これまでのALO audioのに比べるとかなりコンパクトで、シンプルに仕上がっています。
    電源がボリュームと共通なのはちょっとどうかな?という気もしましたが、ボリュームの質感も品位も良く、しかもIEM向けということでボリュームも常にわりと上げた状態で使うことになるのでギャングエラーなどの問題も全くありません。

    今回のRxは現行のものではなく、一つ前のモデルということになります。
    といっても筐体がちょっと違うのと端子類の表記が異なる程度だと聞いています。

    まずはiBasso DX90と同社のSXC22で接続し、茶楽音人のDonguri-鐘 Re-Cableで聴いてみました。
    ボリューム位置がグッと高い位置になるのにちょっと戸惑いましたが、これまでのRXシリーズとはずいぶん音傾向も異なり、現代的な仕上がりになっています。
    最初は低音がやや物足りないような気がしましたが、実際にはしっかり伸びていますし、透明感や歪み、ノイズの少なさが際立ちます。

    その後、あえてゼンハイザーのヘッドフォン「HD25-1 II」をつないでみました。
    ボリュームはここまで上げないといけないの?というくらい上がりますが、この程度のインピーダンスまではまだ対応可能です。
    このヘッドフォン独特の低音番長みたいな厚みは薄れてしまいますが、逆にこのヘッドフォンからこれだけの透明感のあるサウンドが出せるのは意外でした。
    どうしてもこのヘッドフォンは中低域の厚みばかりが目立ってしまいがちなのですけど、そこは薄味になりつつも、より下の伸びが穏やかに深くなっています。
    むしろこれまで使ってきたポタアンで、実はいちばん低域の特性に秀でているかもしれない、と思えるほどです。

    どのイヤフォン、ヘッドフォンで聴いても、全体的に刺々しいところは全くなく、どこまでも透き通るように伸びやかです。
    このアンプで聴いていると、ついつい現代的な据え置きアンプ(スピーカーのほう)で聴いているような気分になってしまうのは、ダンピングファクターの高さから来るものではないかと推測しています。
    屋外で使うケースだと、一聴すると穏やかなので物足りなく感じる部分もあるかもしれませんが、高電圧のバッテリー電源など、バックボーンがしっかりしているので底力は並大抵のものではありません。
    まさに、ヘッドフォンやDAPをワングレード上げてくれるだけのポテンシャルを持ったポタアンだと言えるでしょう。

    その分、音源も含めて粗が聴こえる場面も出てくるケースがありますが、基本的には音楽を楽しませることを忘れていないのはさすがALO audioです。
    今の構成ではiBasso DX90のラインアウトがまだデジタル臭さが残るな、というのも痛感しました。
    再生中に曲の冒頭でバッファにためる際のノイズ(?)やブレ(ジッター?)も体感できますし、全体的な硬さも感じられます。
    ハイレゾ音源だと特に顕著で、その辺りはRxの高域が伸びている影響もあるかもしれません。
    50kHzまで伸びているそうで、ある意味「ハイレゾ対応」と呼んでも良いくらいなのでしょうが、安易にそんな謳い文句を使わないところもALO audioらしいかと。

    ボーカルでは一音一音がとても明瞭で、最近のオーディオ機器にありがちな、余計なエコー感は皆無です。
    とにかく癖がなく、小手先の技で良く聴かせようという部分は全くなく、真に良い音楽を伝えるために必要なことをやっている、と感じさせるものです。
    前述のように、スピーカー再生や据え置き型のヘッドフォンアンプすら意識した音作りで、完成度の高さを伺わせます。
    もちろん、それをこのコストで実現するためにあえてIEMにターゲットを絞り、ハイインピーダンスを切り捨てた割り切りのおかげでもあるでしょう。

    これだけの質感なら、iBasso DX90だけでなく、PCM-D100やDP-77などに繋いだらどうなるか、気になるところです。
    イヤフォンやヘッドフォンももっと色々試してみたくなりました。
    なお、The Nationalは(Rx MkIIも?)ACアダプタが取り寄せ可能のようなので、そちらも注文しておきました。
    それが(別のものといっしょに)届いたら、それぞれの比較もやってみて、またご報告したいと思っています。

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    Filed under: Audio
    2017/06/08 12:00 pm | ALO audio Rx はコメントを受け付けていません

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