スピーカーケーブルを変更した上、APOC解除して鮮度の上がったB&W Matrix 802S2ですが、それだけに細部まで色々と「見えて」くるようになりました。
また、APOC解除による周波数特性の変化がないか確認のため、iPhoneアプリで計測したことも配置変更を思い立つ理由となりました。
結果から先に貼っておきますと上のような配置となりました。
そんなに違わないのでは?と思われる方も多いかと思いますが、以前よりもかなりニアフィールドリスニング的なセッティングになっています。
それでもスピーカー間は約2m、リスポジもちょうど2mの正三角形位置です。
以前はあと60cmくらい後ろに椅子を配置してあったと思います。
配置の基準はいわゆるCardasセッティングを最初に調べたのですが、これはとにかくスピーカー背面に広大なスペースが必要でして今の狭い部屋ではちょっと現実的ではありません。
そこで、他のサイト様で紹介されていたVandersteenのセッティング法を採用しました。
Vandersteenはスピーカーメーカーで、同社のスピーカーのマニュアルに記載されているものを簡素化して紹介されています。
基本は部屋の各辺を奇数分割した位置に配置することで定在波の影響を減らそうというものです。
マニュアルのほうにはいろんなパターンが紹介されているのですが、今回は大まかに以下の内容を採用しました。
リスニングポジション : 横は中央、縦方向はスピーカー対面の壁から部屋の長さの1/3に
スピーカー : 1/7の位置
1/5も考えましたが、それだとスピーカー間が162cmとなるので、もうちょい小型のスピーカー向きかなと判断して1/7にしました。
その分、スピーカー背面から壁までの距離がかなり近い印象ですが、まずはルールに従ってみることに。
間隔が狭い分、RWL-3を配置しましたが、問題はこのボードの厚みを計算に入れるかどうか、でした。
まずは計算に入れないままでスマホで簡易計測してみます。
55Hz前後にディップがありますが、それ以外は以前よりもフラットな印象ですし、なにより左右の特性がだいぶ揃いました。
ちなみに55Hzは6.2mほどの波長ですので、これはスピーカーから対面の壁にぶつかってスピーカーに戻ったくらいの距離に相当します。
おそらくその影響が出ているのでしょう。
これまでスピーカーの側面や背面、床や天井、そして一次反射などはルームアコースティックとして気にしてきましたが、リスニングポジションの後ろのスペースは特に気にしていませんでした。
しかしVandersteenセッティングを試した印象では、それらと同等程度に背後の壁の影響は大きいのだと思い知らされた感じです。
かなり極端な配置だと思うのですが、壁の後ろ1mくらいまで音場が広がり、楽器の位置関係もこれまでとは比較にならないほど明瞭になりました。
次は試しにRWL-3の分を計算に入れて10cm程度、スピーカーもリスニングポジションも移動させて計測です。
こちらのほうがディップは減っていますが、音の雰囲気が以前に近くなっています。
横方向の音像はやや締まった印象がありますが、縦方向の深い広がりのある音場は鳴りを潜めてしまいます。
特にオーケストラではこじんまりした印象ですし、左右の音も微妙に違って来てしまっているようです。
そこで元に位置に戻しますと、やはりこのほうが音場再現性が明らかに高いから不思議なものです。
周波数特性はひとつの目安に過ぎず、左右の位相も揃ったようですし、今はこれがベストかなと。
それこそ細かなディップやピークはデジタルイコライザーでの補正も考えられるのでしょうけど、音楽が楽しく聴ける配置になったのかなと気に入っています。
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