• 259月

    SAECのトーンアーム「WE-407/23」は性能も高くお気に入りのトーンアームですが、調整の難しさもなかなかのものがあります。
    特に年季物になってきたのもあるのか、セオリー通りの調整をしっかりやっても思った通りにいかないことが増えてきました。
    カートリッジのグレードが上がってちょっとした設定ミスや音の変化が明瞭に分かるようになったのもあるのでしょう。

    とりわけ気になるのが音が左に偏る現象で、カートリッジのアジマスやラテラルバランス、プレーヤーの水平、オーバーハングなどをどれだけやっても根本的に解決しない感じです。
    以前、トーンアーム内部やDIN端子の接触不良や断線も疑って購入店に診てもらったこともありますが、DIN端子はたしかに傷んできてるものの、大きな問題はないようです。
    そこはそこでもうちょっと対処を考えているところではありますが…。

    AC-2からHelikonになって余計目立つようになり、ZYX Ultimate 100ではさらにちょっとした変化もすぐ分かるため、気になって仕方ない状態に…。
    トーンアームを替えることすら考えたほどですが、とりあえず試せることは試してみることにして、一番怪しいインサイドフォースキャンセラーを軽くしてみたり重くしてみたりしてみたところ、どうもこれが怪しいようです。
    それならもうインサイドフォースキャンセラーの重りを外しちゃえ!とやってみると、あれほど偏っていた音がすんなり素直に真ん中に!

    さすがに外すとラテラルバランスまで崩れそうですから0gで付けてみたりもしましたが、外してしまうのとは歴然と違います。
    インサイドフォースキャンセラーは不要論もあるくらいですけど、それにしても外すというのはさすがに何かおかしいですねぇ。
    推測としてはアームに横方向のガタツキが出ていて、ぶら下げることでアームが傾いているのかも。
    もちろん触ってみたり見た目ではそんな感じは微塵もないんですが…。
    試しにヘッドシェルで水平を取ってみても多少の改善は見られましたが、これもやはり重りを外すほどの効果ではありませんでした。

    ちなみに偏りといっても音量差では1dBもない程度で、PCM-D100で録音してみてもレベル差は見分けられない程度のものです。
    ただ全体に音が斜めになった感じで、右側の楽器は音に芯がないというか、元気がなくて抜けが悪い状態です。
    インサイドフォースキャンセラーを掛け過ぎた場合もたしかにそういう傾向はありますけどねぇ。
    現実的にはインサイドフォースキャンセラーがなくても針が内側に引っ張られることもないですし、テストディスクでも右側の歪みが若干増える程度で、優先度合いとしては開放的で音像が歪まず左右のバランスが良いほうが望ましいと判断して外すことにしました。

    トーンアームのオーバーホールはSAECの場合、本格的なものはもう厳しいと思われます。
    BL-99V自体はアームベースさえあればショートアームはかなり色々なものに対応可能ですが、アームベース自体も結構高額で取引されています。
    現状はA-1201が付いていますから、これに適合するアームから選ぶのが楽かもしれません。

    Micro MA-505X、S、707
    Audio Craft AC-300mkII
    SAEC WE-407/23
    Technics EPA-99

    感覚的にはマイクロのアームが面白そうかなぁと思いますが、同じWE-407/23のほうが部品の流用が効くのかも。
    ただ現実的にはトーンアームだけでプレーヤーが買えてしまいそうなお値段ですし、ひとまず現状で様子を見てみようと思います。
    いざとなれば予備のレコードプレーヤー自体はそこそこ保有していますしね。

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    Filed under: Audio
    2017/09/25 12:00 pm | SAEC WE-407/23の調整に一苦労 はコメントを受け付けていません

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