AccuphaseのSACDプレーヤー「DP-77」は修理に旅立ちましたが、2年半くらいの間にすでに2回のピックアップ交換、さらにC-280Lもオーバーホールの保証期間内の修理という状況もあって、今回は代車ならぬ代替機としてDP-85をお借りすることになりました。
私としては保証期間内の故障について、その修理期間中の貸し出しを修理サービスの一環として検討してほしいという意味合いで伝えた次第です。
通常はアキュフェーズ自体から貸し出しすることはなく、ショップ経由の修理の場合に買い替えを想定してデモ機をショップ経由で貸し出すということはあるはず、と認識しています。
そもそもDP-85はDP-77の前年に発売されたモデルですから、今回はあくまで特例措置という形です。
それによって買い替え需要の掘り起こしにもつながるはずですし、できれば恒久的なサービスとして実現してほしいなと願っています。
小難しい話はそのくらいにして、DP-77と引き換えにDP-85が届きました。
今回はこちらに通い箱がありましたので文字通り引き換えでしたが、箱がない場合はDP-85を取り出してそこにDP-77を入れて発送、ということも可能とのことでした。
これだと運送会社さんをかなりお待たせすることになるので、できれば事前に箱詰めしておきたいですけどね。
ただ今回も発送用の伝票は箱の中に入っていましたので、結局は開梱して取り出す間は待ってもらう形になりましたが。
背面を見ますと通常は装着されていないオプションボードが3枚も挿さっていて、完全にサービス部門の予備機という印象です。
デモ機の場合は営業部門が管理するような形になるようですが、そういう縦割りもどうなのかなぁという気は正直しました。
DP-85はDP-77の前年に発売された上位モデルで、アキュフェーズとしては2台目のSACDプレーヤー、一体型としては初号機ということになります。
同じDACチップですが、DP-77は4つ、DP-85は6つ使いで左右独立基板、さらにHS-LINK出力が標準装備というのが大きな違いです。
ピックアップも同じですので部品払拭はDP-85も同じですし、どちらかと言えばHS-LINK入力のほうが欲しいのでオプションボードの価値が高いですけどね。
まずは動作確認と音飛びが起きないかどうかを調べるためにささっとセッティングしました。
ほぼそのまま入れ替えただけで、違いはクォーツインシュレーターをまだ敷いてないくらいでしょうか。
ただ、音があまりに違って、正直なところ「借りないほうが良かったかも」と思ってしまったほどです。
喩えるとすればDP-77が「スタインウェイを目指してみたヤマハ(失礼)」だとすれば、DP-85はベーゼンドルファーですね。
音色的にもやや暗めながら重々しい表現をするあたりもまさにベーゼンドルファーのそれに近い印象を受けました。
動作確認のため、DC-81経由も試しましたが、こちらでもやはり同じような傾向です。
DP-77でもDC-81は不要だなと感じ始めていましたが、そういう意味ではDP-85ではなおのこと不要ですけれど。
電源部の違いもあるのでしょうし、そもそもグレードが違うといえばそれまでですが、多少はDP-77が不調な部分があるのでは?という気もします。
正直、これでこそRCA-absolute-FMの実力発揮という感もありますね。
不調さを別にしても、DP-77はやや脚色傾向が強まっているようには感じていました。
やや主音が目立ってドライに描写されていたので、DP-85ではその「うわばみ感」がなく、ギッシリ密度のある自然な楽器描写がされてくるように思います。
打楽器やパイプオルガンなど、部屋の空気どころか部屋全体を打ち震わせる低域はさすがに格(電源部)の違いを感じます。
当時はあまり評判は良くなかったように記憶しているのですが、ある意味、アキュフェーズの音色(特に当時の)とはやや趣を異にする部分もあるので、そこも関係しているのかもしれません。
ある意味、とても参考になる良い体験でしたが、やっぱり愛機はDP-77なわけで、まずはそちらが無事に治って帰ってきてくれるのがいちばんですね。
その上で今後のピックアップとSACD再生環境の不安がなくなるわけでもないので、そこに関しても別の対処を考えているところです。
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