ちょっと前になりますが、FiiOのイヤホン「FA1J」を入手してみました。
実際にはあらかじめ狙っていたわけではなく、そういえば2.5mm4極のMMCXケーブルを持ってないなと思って探していたら偶然それも付属する出物を見つけたんですけどね。
ですので、元々はどちらかというとケーブルの「LC-2.5B」がメインだったような形です。
本来は外観の黒い下のケーブルが標準装備なのですが、こちらも銀メッキ4芯(もちろん3.5mm3極)なのでケーブルのグレードとしてはあまり変わらないはずですが。
ただ使ってみるとなかなか良いイヤホンでして、そこはかなり予想外でした。
1BAですからやはり手持ちの他のイヤホンと比べると帯域が若干ナローに感じる場面もありますが、その中でのダイレクトさとでも言いますか、純度の高さはまさにIEMとしての品位を持っているものです。
形状も3Dプリンタ出力らしく、この価格帯でこれだけ凝っていて、しかもそれがちゃんと装着感にも結びついているのはなかなかのものだと感じます。
まずはいつものようにイヤーピースを決めるところから始めました。
最初はSednaEarfitのMSから試したのですが、元々低域がやや薄めということもあってだいぶ高域寄りのバランスになりました。
ボーカルはハッとするところもあるのですけど、もうちょっと広がりが出たほうが良いかなという印象もありました。
いずれにしてもかなり現代的な音のするイヤホンなんだなというのは確認できましたので、次はSpinFitのMサイズにしてみます。
こちらはかなり良好な組み合わせのようで、低域も不足せず、耳へのフィットも良い感じです。
よりボーカルは艶やかに近くなるようですが、中高域には若干シリコンっぽい音が乗る傾向が見られます。
広がりも出るのですけど、ベースなどはもうちょっと量感があっても良いかなぁという部分もあり、だいぶ悩んだ候補のひとつでした。
SpiralDotはやはりゴムっぽい音が中低域寄りに出てきます。
どうやらFA1JはわりとダイレクトにBAユニットのサウンドが耳に届いてくるので、イヤーピースの音色が目立ちやすい傾向のようです。
またステムが短いので、私の耳だと少し奥に入り過ぎる傾向がありました。
イヤーピースの穴も大きく、FA1Jにはフィルタがないので汚れが入りやすいかなぁというところもあり、こちらは早々に候補から外れました。
結局はfinal Type Eになったのですが、これはこれでデメリットもあり、低域と高域のバランスは良くなるものの、下はこもりがち、上はやや刺さりがちと良さを引き出すというよりも欠点を目立たせるようなところも感じています。
低域の質感を穏やかでありつつ厚みを持たせたい場合には良いので、そこは悩みどころです。
全体のバランスはたしかに整うのですが、このモデルの良さを出していたのはSednaEarfitとSpinFitだったかも。
SpinFitかfinalかはだいぶ悩んだのですが、他のイヤホンから切り替えた時に違和感がないのはfinalだったので今のところはコレにしています。
ただ、そういう聴き方ではなく音そのものの質感を感じ取ってみると、他のイヤホンでは聴き取れなかったような微細な音の風合いがふと聴こえてきたりして、驚かされる場面が多々ありました。
2.5mmでバランス接続した(結果的にアンプ部も違ってくる)というのも功を奏しているのだと思われますが、この純度の高さはなかなか未体験のものがありました。
特製というKnowlesのBAユニットの完成度もあるのかもしれませんし、耳に良くフィットする形状や強度なども寄与していることでしょう。
正直、予想外に良くて驚いたわけですが、1BAの良さを最大限活かした部分もありそうで、それが欲張り過ぎずにキレイにまとめてあるとも言えるでしょう。
多ドラの豪勢なサウンドとはだいぶ方向性が異なりますし、汎用的に鳴るイヤホンでもなさそうですから、「これ一本」というよりはいろんなイヤホンを多用されている方向きかもしれませんね。
次回は手持ちのいろんなイヤホンと比較してみて、もう少し掘り下げた音質面について書ければと思っています。
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