SHUREのカナル型イヤホン「AONIC 3」を追加してみました。
きっかけはB&Wのイヤホン「C5 Series 2」が断線しかけになってしまったことです。
紗羅のちょっと聴き用だったので、とりあえずfinal E2000くらいで代用できるかなぁと最初は思ったのですが、音質的にやはりやや不満があるようですし、できれば断線対策にリケーブルできて、もうちょっと上位のものを探すことに。
手持ちのもfinalならE4000、E5000、Campfire Audio Dorado、Nova CK、SENNHEISER IE80Sなどがあるんですが、できればカナルじゃないほうが良いということだったので、まずはその方向で探していました。
結果的に選んだAONIC 3はまさにSHURE掛け前提なんですが、かなり本体が小ぶりなのでfinal Eシリーズのように耳から提げるような装着もできないことはありません。
ただ、ノズルが少し内側に傾斜しているので耳から提げる場合は左右逆にケーブルに装着したほうが良いみたいです。
ただ結果的にはやっぱりSHURE掛けしたほうが空間的な広がりも出て良さそうで、当初の想定とはだいぶ違う使い方になっています。
SHURE掛けした際の装着感は最高とまではいかないまでも、ノズルの傾斜もあってか、わりと悪くありません。
1BAということで帯域はさほど広くないだろうとたかをくくっていましたが、ワイドレンジとはいかないまでもなかなか素直で鮮度のあるもので、その点は期待以上です。
SHUREはSE215を持っていますが、あの路線とはやや違って、音の抜けが良く透明感があり、ボーカルが明瞭で聴き取りやすい印象です。
これまでに聴いたことがあるものの中ではCampfire AudioのCometに似ている部分もあって、あれの金属的な響きが若干乗る部分を抑えて若干モニター寄りにしたような雰囲気です。
付属品もしっかりしていて、中でもイヤーピースが充実しているのは助かります。
標準はフォームタイプだと思いますが、ソフト・フレックス・イヤパッドで使うことにしました。
ケーブルはリモコン付きでそこそこ悪くないものでしたが、せっかくなのでいくつか手持ちのケーブルを試した結果、ALO audioのCopper22にしました。
このケーブルは硬くて取り回しが最悪なのですけど、音色的には高域の鮮度がぐっと良くなってAONIC 3に向いているようです。
どちらかというと純銅のケーブルと相性が良いのではないかと予想されます。
低域は1BAですから、さほど分厚くはありませんが、良質なブックシェルフのようなバランスの良さがあります。
筐体の響きが強く出ないのもSHUREらしいところで、厳密に言えば若干のプラスチックっぽさはありますが、それが空間的な広がりを付加しているのか、過度に脳内定位にはなりすぎず、空間的な広がりがあるほうかと。
DAP(というよりもアンプ部)の違いはかなり明瞭に出てくるほうで、HiFi-M8やAK380AMPを使うとぐっと中低域の厚みが出て、しかも中域のリアルさが高まります。
HiFi-M8とは特に相性が良い印象で、1BAながら低域の駆動力がある程度あったほうがポテンシャルを引き出しやすいようです。
そのあたりの理由はよく分かりませんが、BAユニットのインピーダンス特性や逆起電力なども関係しているのかもしれません。
逆にNW-A55とはあまり相性がよろしくなく、各種カスタムファームウェアなども試しましたが、全体に音がドライで中高域がシャリつく印象を受けます。
ケーブルもアンプもかなり格上と組み合わせるとぐっと魅力が増すというのが面白いところです。
ある意味、そうした差も識別しやすいイヤホンとも言えるのでしょう。
SHUREにしてはややクールな印象はあるものの、イヤモニらしさを感じる仕上がりですし、より上位モデルをお使いの方も使い分けが楽しい1台ではないかと思います。
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