先日、タモリ倶楽部の記事をエントリーした時にも紹介した「フォノイコライザ」ですが、
アナログレコード世代でない方には、なぜレコードだとこれが必要なのか、わからない
方も多いのではないかと。
実はレコードプレーヤーから出てくる信号はレコードの溝を針が拾って、そこに付いた
ちっちゃな「発電機」がその振動から発電したものを、そのまま出力してるんです。
ですから、それを普通のCDプレーヤーなどの出力と同じくらいに増幅してあげる
必要があります。
これがフォノイコライザのひとつの大きな役割です。
ちなみに、カートリッジには種類があって、それによっても出力電圧が異なります。
ですから、出力の弱いMC(ムービングコイル)カートリッジの場合は、イコライザの
前に「MCトランス」というものを付けたりすることもあります。
そして、フォノイコライザの役割は、実はこれだけではありません。
レコードの溝には音をそのまま記録せず、高音は強く、低音は弱くして記録されて
いるんです。
これを「RIAAカーブ」といいます。
ですから、再生する時はそれと逆のカーブで補正してあげなくてはいけないんです。
これが「イコライザ」という名前が付いてる由来でもあるわけですね。
なぜこんな補正をしているかというと、低音ほど溝が太くなりがちですから、隣の溝と
くっついてしまわないようにするためと、針が盤面をこする時に出る高音ノイズを
相対的に下げてあげるためだそうです。
こういう面があるので、レコード音源のデジタル化とかも、ちょっと面倒なんですよね。
ONKYOの「SE-U33GX+」みたいにフォノイコライザ内蔵のUSBオーディオなども
ありますけど。
ONKYO USBデジタルオーディオプロセッサー SE-U33GX+【税込】 SE-U33GXP-W
ちなみに、これは残念ながらMCカートリッジには対応していません。
音質面では24bit/96kHzでのサンプリングに対応してたり、頑張ってると思いますが。
フォノイコライザの品質については、まぁ単体のものや本格的なアンプに内蔵のものには
かなわないと思いますが、とりあえず聴いたり取り込んだりできるのは、便利ですよね。
プレーヤーにもイコライザ内蔵の廉価なものが結構出ています。
audio-technica/オーディオテクニカ AT-PL30
ただ、音質を考えると、本格的なものが良いのですが、そうなると選択肢は一気に
テクニクスのプレーヤーくらいまで上がってしまいますねぇ。
TECHNICS SL-1200MK5(シルバー) アナログプレイヤー
さらにこっちはカートリッジが付いてないので、せめて定番のSHUREくらいは付けたい
ところです。
なかなかレコードの再生や取り込み環境を復活させるのは大変ですね。
まぁ、自宅に眠っているプレーヤーなどがあれば、少しは楽なんですけど。
ただ、中古なんかでも結構出回ってるので、そういうのを狙うのも良いかもしれません。
年末年始に懐かしい昔のレコードをデジタル化してみたりするのも楽しいのでは
ないでしょうか。