手持ちのレコードだけでは数に限りがあるので中古でもクラシックのディスクを中心に仕入れてきてるんですが、大体の盤は想像以上に良いものが多いんですが、ごく稀にカビが発生しているものやスクラッチノイズのひどいものがあります。
そのうちの大半も中性洗剤を付けたスポンジで洗い、流水で洗い流せば大抵良くなるんですが、それでもまだどうしてもダメだったものがありました。
こうなると盤面自体の物理的な傷も疑われて諦めたほうが良いのでしょうけど、それなら尚更実験台に良いなと、木工ボンドでパックしてみることにしました。
このディスクはカビが出ていたので、まずはカビを中性洗剤で落としてからパックに入ります。
木工ボンドは固まった時に柔らかさが多少残るタイプが良いそうですが、私は適当にダイソーで売ってたもの(台湾製)を使いました。
塗り方はまず円周上に木工ボンドを渦巻状に絞り出し、あとはそれを平らに指で円周方向に延ばしていきました。
まず初日はA面、うまくいくのが分かってからB面とやりましたけど、初日は湿気が多かったからか乾燥に9時間くらいでもやや白いところが残る感じで、2回目は7時間ちょっとですっかり乾いていました。
風通しが良い場所で干すのが良いのかもしれませんね。
上のは初日のほうの剥がすシーンでして、まだ一部白いところが残っています。
本来は全体が半透明に乾いてから剥がしたほうが失敗がありません。
ボンド自体はかなり厚く塗ってるのを見かけましたが、私が試した感じではそんなに厚くなくても大丈夫のようです。
ちなみにちょっとだけ残ってしまったボンドはセロテープでペタペタと取ってしまっても平気でした。(ホントはキレイにまとめて剥がれるのがベスト。)
さらにその後、レンズクリーナー液とトレシーのようなクリーニングクロスで拭けば、キレイに取り去れます。
さてパックを終えての再生ですが、やっぱりちょっと怖いので最初の再生はなるべく安いカートリッジで。
結果的には全然平気で、チリチリノイズは相当低減してくれました。
少なくとも聴くに堪えなかったような状態からは脱出できたので、効果絶大と言って良いでしょう。
ただしホントにキズが入った部分は当然戻らないですし、かなり無茶なやり方ですから、多少ゴミが付いた程度のディスクでは試さないのが賢明です。
私の場合は偶然うまくいっただけかもしれませんし、ボンドのメーカーや種類で結果が違ってくる可能性もありますので、実施はあくまでも自己責任で。
ところで、これでまた聴けるディスクが増えて良かった…と思ってるところに大事件が。
いや、今回のクリーニング自体とは直接なんの関係もないんですけど、それはまた次回につづく、ということで。