オルトフォンのMC20Sが不調と分かり、代替の常用カートリッジを探していたところ、AccuphaseのMCカートリッジ「AC-2」の出物を見つけてゲットしてみました。
以前からアキュフェーズのカートリッジは気になっていましたが、初代AC-1からAC-3まではもちろんのこと、わりと最近出たAC-5もすでに針交換できない状態ですので躊躇していました。
ただ、AC-2のサファイアカンチレバーはどんな感じなのか、とても気になってしまい、手を出さずにはいられませんでした。
入手したものはシリアルナンバーが00002という、アキュフェーズそのものか、評論家の先生の家にでも眠っていたようなもので、1980年11月の超初期のものだと思われます。
ちなみにAC-1とAC-3はZYXの中塚氏の手によるものだという噂ですので、おそらくこれもそうではないかと予想されます。
中塚氏といえば並木精密宝石でオルトフォンMC20の開発にも携わったとされている方です。
ただ実際のサウンドを聴いてみると、やはりAccuphaseの意向もかなり入っているようで、1980年当時のAccuphaseサウンドを意識したものになってるように感じます。
内部インピーダンスが4Ωと低い点はMC20に通じるところがありますが、サマリウムコバルトマグネットを使い、アルミダイキャストで自重も9.5gとガッチリしていて、SPU的な厚みも意識しつつ、透明感と芯のある音を両立しているように感じます。
自重もそこそこあるので、とりあえず手持ちのヘッドシェルから軽いものをと、当初はPCL-3を使うつもりでしたが、これだと針カバーが付けられず、急きょ、AT-LT13aに変更しました。
これが12.8gですので、一応この組み合わせのままでもSAEC WE-407/23のミドルマスウェイトで大丈夫だとは思います。
負荷インピーダンスはヘッドアンプでは50Ω以上が推奨されていますが、C-280Lでは30Ωか100Ωから選ぶ形になりますので、とりあえず現状は30Ωで使っています。
SAECを修理に出していますから、それが戻って来てから本格的にヘッドシェルやリード線の見直し、負荷インピーダンス選びなどをしていくつもりです。
当初はかなり針先が汚れていて、スタイラスの残量も見えないほどでしたが、レコードクリーニングマシンでクリーニングにしたディスクを数枚再生してはスタイラスクリーナーで掃除していたら、問題ない程度にキレイになりました。
針先も意外にまだまだ残っているようですし、ダンパーもどうやら大丈夫そうです。
サファイアのカンチレバーもやや白みを帯びた半透明で、その見た目どおりの音色です。
アルミはコストの中ではなかなか優秀な素材だと思っていましたが、サファイアと比べるとやはり材質の響きが出ているし、濁りも乗っていたのだなと感じてしまいます。
ちなみに初代のAC-1はアルミ・マグネシウム合金とベリリウム材を使ったカンチレバーで、AC-3やAC-5はボロンです。
サファイアを使ったものはあまり多くはなく、今だとオルトフォンのMC-Q30Sが有名どころでしょうか。
JICOの交換針にもあるようで、最近は逆にボロンが調達困難になってるみたいなので、現行カートリッジでもサファイアカンチレバーのにしてみたいかな。
ただしお値段もスゴイことになるわけで、そういう意味でもAC-2にはまだまだ頑張ってもらいつつ、大切に愛用していこうと思います。
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