AccuphaseのCDプレーヤー「DP-70V」を導入してみました。
いつものように当然ながら最新モデルでもなんでもなく、1990年発売という「年代物」です。
ハイレゾやSACDなどとも無縁ですが、その代わりにマルチビットのディスクリート構成のDACを搭載しています。
電流スイッチ素子と抵抗で構成された回路で電流加算式のD/Aコンバーターを実現するという「力技」は、もう今の時代では事実上無理でしょう。
光学ドライブはこれまで使っていたSONY CDP-557ESDとほぼ同じものですが、実際の出音はかなりの差があります。
それはトランスポートとしてATOLLのDACに入れた場合でも同様で、その辺りは電源部などの違いによるものかと思われます。
ちなみにソニーだとブツブツに音飛びしてしまうピンホール有りのCDでも、しっかり再生してくれて、ちょっとビックリしました。
代わりに状態が悪くなったCD-Rでは途中で再生が止まってしまったケースがあったので、CD-Rへの対応は年代的に多少弱いのかもしれません。
導入を決めたのは、今回のものがメーカー整備済みだったというのが大きいです。
その後のMMB方式のならそれほど気にならないですが、ディスクリートの部分は経年変化もあるでしょうし、しっかり再調整してもらえていると安心感があります。
保証もお店側のもありますし、メーカーの修理後1年保証も付いてきますからね。
トレイが分厚いので写真で見るとコンパクトに見えますが、とにかく重いです。
24.3kgほどあって、CDP-557ESD(18.5kg)でも重いと思ってましたが、20kgを超えると運ぶのも一苦労です。
開けてみていませんが、ソニーのGベースみたいになってるわけではなく、全体的に厚手の金属で覆ったらそうなった、という雰囲気でしょうか。
Accuphaseの上位モデルにはデジタル入力端子があるのも特徴で、光2系統と同軸2系統の合計4系統の入力もあります。
なにぶん年代物ですから、48kHzまでの対応ですがココにUSB-DACからの出力を繋いでみるのも面白いかもしれません。
また、デジタル出力端子も光と同軸があり、ATOLLにつなぎましたが、正直そちらから鳴らす意義は感じられず、アナログ出力を使っています。
そのアナログ出力もアンバランスの他にXLRもありますが、現状はアンバランスでの接続です。
肝心のサウンドですが、とりわけライブ録音の生々しさが印象的です。
つくりものっぽいところが皆無で曖昧さがないのは、DACの違いでしょうか。
そこはMMB方式のDP-75でも感じなかった部分のような気がします。
ケーブルもいくつか替えてみたりしましたが、そうした変化にも細やかに反応してくれますし、その中で常に音楽の温度感を感じるサウンドを奏でてくれます。
音階、そして楽器の存在感が明瞭ですし、演奏そのものの熱気や温度感も伝わってきます。
進化の早いデジタル機器ですから特性の良いものはたくさんあるのでしょうけれど、CDフォーマットの中でこの精度感を出してくれるCDプレーヤーはなかなか少ないのではないか、と満足しています。
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