リビングで使っていたAccuphaseのパワーアンプ「P-450」を父親に返却することになったので、代わりのパワーアンプを検討することにしました。
一応、LINN LK140は余ってますが、正直、今となっては戻せる感じではありません。
いくつか候補はあったのですが、以前店頭で見かけていたAccuphase P-600がまだ残っているようだったので、電話で取り置きしてもらい、購入してきました。
P-600は1983年のアンプで年代としては父親が持っているC-222やP-266と同時期のフラグシップのステレオ・パワーアンプです。
今では珍しい300W+300W(8Ω)というハイパワーアンプで、ちょっとリビングで使うにはデカすぎるかなと。
そこでまずは2階に持って上がり、A-45と入れ替えてみることにしました。
店頭でも動作確認してもらっていましたが、メーターや各種ランプ、アッテネーターなど、全て動作に問題はありません。
すでに一部修理不可となっているモデルですけど、お店の6ヶ月保証もあるので安心ではあります。
出音は一発目からもうA-45とはまるっきり違っていて、Matrix 802のウーファーがこれでこそようやく動き出したといった印象です。
低域の基音が非常に明瞭で、すべてのサウンドが淀みなくストレートにガツンと来ます。
これまでは定位が…音像が…と細かいところが気になるオーディオマニアの悪いクセにハマっていましたが、P-600では「そんな細かいことはどうでも良い」と思えるほど、痛快な鳴りっぷりです。
もちろん音の実体感はレベルの高いもので、正直そちらもA-45よりもレベルが高いのではないかとすら思えます。
オーケストラの迫力は当然として、低音の基音がしっかりすることでピアノの再現力がかなり高まったように感じました。
そうは言ってもマニアの性で、せっかく導入したアイソレーションボードやスパイクだから…と使ってみました。
しかし重量が重すぎるのか、音が濁ってしまい、良さが半減してしまいます。
ヒッコリーボードなら大丈夫だろう、とこれもDACから奪い取って投入しましたが、こちらは芯がしっかりしてがっしりした印象になります。
ただ、やはりP-600を入れた時に感じた爽快なほどの鳴りっぷりが弱まって、ボーカルや楽器に淀みが感じられます。
アンプ自体に重量やサイズがあることや、脚がかなり低めなこともあってか、このアンプは下に敷かないほうが現状良いようです。
また昔のモデルですから電源ケーブルも直生えで迷いがありません。
消費電力は定格で1100W、無入力でも165Wですから、壁コンセントから直接取る形としました。
これまで使っていたAccuphase APL-1はDP-77に持っていき、これはこれで低域の重心を下げるのに一役買ってくれています。
スピーカー端子はバナナプラグには非対応ですが、店頭でCardas Neutral ReferenceのYラグが問題なく装着できることは確認して入手しましたし、C-280Lとの間はこれまで同様、ASLC-30で接続し、RCAのほうはACOUSTIC REVIVEのショートプラグを挿してあります。
後日、清掃のため、上蓋も開けてみましたが、パワートランジスタのデカさに分かっていても驚かされます。
サンケンの2SC2774と2SA1170は当時のハイパワーアンプの定番ですが、このサイズだからこそ出てくる圧倒的なパワーなのでしょうね。
トランスの定格は分かりませんが、消費電力から推測して1200VA以上でしょうし、フィルタコンデンサも耐圧100Vの47,000μF(ELNA FOR AUDIO)が使用されていました。
A-45も同じ47,000μFですが、耐圧がこちらは67Vだったはずです。
年式が古いこともあり、中古相場ではA-45一台でP-600が2台買えるくらいですけども、やはりこれは別格だなというのが率直な思いです。
私にはちょっと分不相応なくらいですが、C-280Lとの組み合わせは私にとっては至極のアンプとなってくれそうです。
それに伴って、A-45は当然ながらリビングに移設しましたが、その件はまた後日書いてみたいと思います。
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