MacBSの日常生活的日記

ACOUSTIC REVIVE HQ-4 レビュー 機器インシュ比較編

ACOUSTIC REVIVEのヒッコリーキューブインシュレーター「HQ-4」を先日のケーブルインシュレーターに引き続き、LINNのネットワークプレーヤー「AKURATE DS」の下にインシュレーターとして使ってみました。
今回も手持ちの木製インシュレーターと取っ替え引っ替えしながら比較していきます。

先日、ヒッコリーボードとマグネットフローティングインシュレーター「RMF-1」を豪勢に使ってあったのですが、そこにDC-81を入れたので、ひとまずはラックに直置きとなっていました。

まずはこの状態から聴いていきます。
グリーンカーボランダムを導入してから、以前よりAKURATE DSもだいぶもたつきは少なくなっていて、ラック直置きでも帯域も自然に伸びていて我慢できないようなものではなくなりました。
あえて言えばやや薄味で中抜けっぽく、ドライでデッドな感触があります。
余韻が濁り気味で楽器が少し混濁気味なところはありますけども、これはかなり厳しめに評価しての話ではあります。

今回は全て3点支持で使うことにして、まずはイタヤカエデを入れてみました。
音はかなり大きく変化しまして、端的にいうと檜舞台のような余韻の乗り方が印象的です。
低域が相当薄くなっていて、いわゆる美音で中音がやや強調される傾向ですので、中抜けは減りました。
ある意味無難にまとまっていますが、正直、深みが足りないように感じられます。
そのわりには女性ボーカルのサ行は意外にキツいのも気になりました。

続いてマートルウッドです。
こちらは音がパッと散る印象で中高域が目立ち、ちょっとうるさく感じるのは雑味が増えたからでしょうか。
さきほどのイタヤカエデとは異なり、余韻は少なめですが、音の質感が軽くて重心が上ずり気味に感じられます。
ボーカルもなんとなく埋もれ気味で、LINNの音傾向からしますとイタヤカエデのほうがまだ相性は良いように思います。
良く言えば、音が広がることでネットワークオーディオの欠点を巧くお化粧してくれる要素があるとも言えそうですが、かなり無理な褒め方ですね。

今度は黒檀です。
こちらは前回のケーブルインシュレーターとは違って、かなり健闘していました。
全体に引き締まった音色で、高解像度っぽくなります。
実際の音数が増えたというよりは主たる楽器やボーカルが際立つ感じで、やや主張が強めのサウンドになりました。
ただ意外にキツさは目立たず、刺さる感じも意外にありません。
低域はやはり少し薄いように思えますが、スピード感はあります。
ここまでの中ではこれがいちばん良好ですが、少し聴いているとやはり固さは目立ってきて、エンハンサーを掛けたような感じがしてきます。

そしてヒッコリーキューブです。
こちらは余韻がキレイに伸びるのが非常に印象的です。
それもイタヤカエデのように余計な付加された感触ではなく、まさに音源そのままにS/Nが上がったような感覚です。
暗騒音に埋もれなくなったという言い方もできるでしょう。
そうしたガヤガヤとしたモヤが晴れた分、ボーカルも鮮度が良くなり、まさに浮かび上がってくるようになりました。
楽器の配置もより明瞭になって、これまでのように混濁しません。

まぁ単純に言って生々しくなるわけですね。
喩えがやや古くて申し訳ないですが、トーンコントロールをオフにしたり、MPXフィルタをオフにした時のような感覚です。
いわゆるヴェールが一枚剥がれたようなサウンドになるわけです。

言葉だと好みや相性とかいろいろ言い訳も考えられますけど、一番端的に良さを表しているのがインシュレーターを置いてから聴いていた時間の長さでしょう。
全て同じ音源で、音量も同じにしてアルバムの頭から聴いていったわけですが、ヒッコリーキューブだけ、アルバムの最後まで聴いてしまったのですから、それが結果を物語っているでしょう。
ちなみにいちばん長く聴いたのがヒッコリーキューブですが、次が黒檀で、いちばん短かったのがマートルウッドでした。

元々、ヒッコリーボードが好きですし、そうした好みは多少入っているかもしれませんが、そういう素材の問題だけではなく、やはり今回も材質や重量、サイズも結果に大きく影響しているように感じます。
今回は全て3点支持でやったのはAKURATE DSが軽量なのとガタツキがないようにという配慮からでしたが、そうした機器本体の重量にもよるでしょうが、インシュレーターの接触面積が大き過ぎると効果が薄れるように思います。
また木材に限らず、単一素材で振動からの影響をむやみに阻止しようとしてもやはり限界があるようにも思われます。
単純に「揺れなければ良い」というものでもないでしょうし、そもそもインシュレーターで音を変えてしまうべきなのか?という命題は私の中でいつも自問自答している部分です。
機器や配置の欠点を抑えてくれるのはありがたいですけれども、それで積極的に音作りをするのではなく、音楽が本来の楽しさを感じさせてくれるように「強調」ではなく「協調」してくれるものを選びたいなと、私は思っています。
その点で、ヒッコリーキューブは非常にお薦めできる素材ではないかと感じた次第です。

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