ACOUSTIC REVIVEさんからお借りしたLANケーブル第2弾は「LAN-1.0 TripleC」です。
こちらは先日のR-AL1の上位モデルと言えるもので、フッ素樹脂系の絶縁材やPC-TripleCに加え、テレガートナーの端子、そしてカーボンCSFチューブも付いて高級感あふれる内容となっています。
オーディオ用LANケーブルという分野、ともするとパソコン系の方からすれば「意味がわからない」と言われがちです。
私もノイズ対策程度で大差ないのでは?という思いはなかったと言えば嘘になります。
ましてや、LINNは金属製シールドを推奨しておらず、その点でもどうかなぁ、という不安はありました。
しかしコレが恐ろしいことに、全く世界の違うサウンドを聴かせてくれるから困ったものです。
R-AL1も純度が高まって音切れが減るなど効果バツグンでしたが、こちらはさらに澄み渡って透明感の高いサウンドを魅せつけてくれます。
こちらは純度に加えて精度が向上した印象で、より音源の細部を引き出して再現してくれます。
ボーカルの息遣いなど、実在感が高まっていて、それはもう情報量とかそういうデジタルデータとしての精度の問題ではないですね。
ちなみにOlasonic NANO-NP1での音切れはR-AL1のほうが少なめで、「LAN-1.0 TripleC」のほうは僅かながら途切れるケースがありました。
どちらかと言うとオーディオ的な要素の高まりが大きいので、そういう意味ではR-AL1のほうがLANケーブルとして普遍的な評価を受ける部分もあるかもしれません。
ただ、どこまでも透明で美しい余韻、そしてそれに続く静寂がどこまでも深いのを一旦聴いてしまうともう元には戻れないと思いますが…。
これまではネットワークプレーヤーを主体に見直したわけですが、今度は「LAN-1.0 TripleC」をNASで使ってみました。
ネットワークプレーヤーはR-AL1にした形ですが、こちらだとスッキリした音の印象でR-AL1の特徴が支配的です。
音の広がりは保持されますが、精度優先ならこちらも良いでしょう。
これをまるっと入れ替えてNASをR-AL1、ネットワークプレーヤーを「LAN-1.0 TripleC」にすると、やっぱり音はこちらが優位かなと感じます。
とりわけ定位や音の粒立ちの細かさ、滑らかさが全く違ってきます。
方向性としてはパソコン系機材のノイズ対策にはR-AL1、オーディオのネットワーク接続には「LAN-1.0 TripleC」とするのがベストかなと感じました。
導入場所としてはやはりネットワークプレーヤーの接続用から見直すのが良いように思います。
またこれはLANケーブル変更前から徐々に気づいたことですが、USBオーディオでの再生でもNASは音質改善効果が出ています。
これまではUSB外付けHDDに音源を入れていたのもあって、さらにその傾向が高かったのでしょう。
普通のLANケーブルでもNASに置いたファイルを再生するほうが、ザラつきやノイズ感が減少します。
さらにネットワークハブを導入したり、NASのLANケーブルを替えることでより改善されていったのはちょっと驚きでした。
こう書くと良いことばかりのように思いますが、PC再生あるいはネットワークプレーヤーは従来のオーディオ機材と比べて手間が掛かる部分も持ち合わせているように感じます。
それが楽しい!という方には面白い要素だと思いますが、限られた時間の中で純粋に音楽を楽しみたい!という人にはやや厄介な部分でもあろうかと。
その点で考えてもネットワークハブはぜひ導入されたほうが近道だと思いますし、LANケーブルも変な拘りがないのであればネットワークプレーヤーの部分だけでもオーディオ的な視点で作られたものを選んでおいたほうが、プレーヤーやNASを疑ってしまう事態に陥らずに済む分、安心とも言えるのではないかなと思います。