ACOUSTIC REVIVEさんからお借りしているXLRケーブルをCDプレーヤーとプリアンプ間でクロスレビューしていきますが、最初につないだ「XLR-1.0 TripleC-FM(1.4×1.8mm導体仕様)」から、エントリータイプの「LINE1.0X-TripleC-FM」を試してみます。
「LINE-1.0R-tripleC-FM」のXLRバージョンともいえる位置づけですが、先日も書いた通り、同社のXLRケーブルは2芯シールドではなく3芯シールド構造となっています。
こちらはXLRプラグにNEUTRIKが使われていますが、信頼性の高いものですし、安心感があります。
同じブランドで最上位から最廉価なものに交換したことになりますが、鮮度自体が下がることはなく穏やかさを感じる一面もあり、ほのかに寒色系で爽やかさも持ち合わせていますから、サウンドコントロールとしてこちらを選ぶというのもアリかと思われます。
中域の情報量は負けず劣らず十分で、ストレートな表現の仕方だと思いますので、余計なクセを載せたくないケースでは良い選択肢でしょう。
ただ、低域の厚みに関してはやはり差を感じてしまう部分で、音場も聴き比べてしまうと多少ながら平面的に感じてしまうところはあります。
音像はセンターほど厚みがあり、左右に行くほど薄くなる傾向です。
小型のシステムや小編成な楽曲ではまとまりが出ますし、ボーカルの定位は明瞭になりやすい印象ですから、そこも決して「値段なり」ということではなく、グレードに合わせたチョイスができると言えるでしょう。
クラシック、とりわけ大編成なものよりも、小編成なポップスやスロージャズなどに相性が良いように思います。
コントロールしづらい極低音を求めるより、もっとリスニング寄りに音楽の心地良さと細やかさを重視する場合、上位ケーブルにも勝るとも劣らない部分を持ち合わせているように感じました。
また、余韻がとても美しいのが特徴的で、ピアニシモまで分解能が高いのはファインメットが効果的に働いているようです。
ここでAccuphaseのSLC-10と交換してみましたが、とにかくいろいろ混然としていて、分離の悪さが際立ちました。
帯域としてはわりと伸びているようですが、分離の悪さが結果的に全体的なバランスを悪くしているのでしょう。
そのためか、どうしても「スピーカーから何やら鳴っている」という印象が耳についてしまいます。
SLC-10が古いこともあるとは思いますが、「LINE1.0X-TripleC-FM」のほうが現行アキュフェーズのサウンドに近いのではないかとすら思えました。
この違いはなんだろう?と考えたところ、スピーカーケーブルで細い撚り線のものと、単線の違いに似ているなと。
撚り線にもメリットがあるケースも多いとは思いますが、傾向としてはそんな違いだなと感じた次第です。
価格的にも「LINE1.0X-TripleC-FM」は比較的手を出しやすいラインですし、もちろん好みもあるかと思いますが、アキュフェーズを好む向きにはオススメできるのではないかと思います。
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