ACOUSTIC REVIVEのリアリティエンハンサーのレビュー第3弾はXLR入力端子用ショートピンタイプの「RES-XLR」です。
XLR端子はオス、メスで形状が異なりますので、RCAのように誤って出力端子にショートピンを挿してしまう可能性は低いと思われますが、だからこそオスメスが逆転(マイクなど)しているパターンには注意が必要かと思います。
なお、RES-XLRはオスコネクターで、オスメスはコネクタそのものではなく、ピン側で判断すると覚えておくと分かりやすいかと。
リアリティエンハンサー自体は以前も書いたように色が濃いほうがショートピンとなります。
さてXLR入力端子となりますと、装着ポイントはやはりプリアンプが最有力でしょう。
うちでもC-280Lのバランス入力端子に装着することにしました。
第一印象はやはりボーカルの艶めかしさ、そして実在感の高まりが強烈です。
方向性としてはパワーアンプに最初にRES-RCAを装着した時に近い変化です。
静けさが増してS/Nが良くなった印象ですが、余韻や細かな音のニュアンスを消し去るのではなく、むしろそうした部分を音源からしっかり引き出してくれるようになりました。
XLRタイプのショートピンは初めて使ったのですが、RCA同様、やはりこれは単なるショートピンとはやはり一味も二味も違うようです。
アンプ自体が水を得た魚のように本来の実力を遺憾なく発揮してくれるさまは、機材自体の土台が物理的にも電気的にもしっかりしたような感覚を受けるものです。
これも以前に書いたと思いますが、同社の仮想アース「RGC-24 TripleC-FM」のように基準電位が安定したような印象もあって、局所アースとでも呼びたくなるような効果を発揮してくれています。
それまでにパワーアンプ、CDプレーヤーとリアリティエンハンサーを装着したわけですが、今回プリアンプにも追加したことで次々に機材が底上げされてくる感覚はなかなか得難い経験です。
C-280Lは年代物のプリということもあり、フォノイコライザーが搭載されている点、デジタル機材に関わるノイズ対策、アナログボリュームの質などから、ライン入力の品質はやはり最新機材に少し負ける部分もあるのかなという印象もありましたが、そうした「弱点」が見事に解消されています。
具体的には、ラインごとのボリューム位置の違いや音楽そのものの音量の変化(ディスク自体の音量差、楽曲のDレンジも含めて)に伴って、どうしても楽器や音色に混濁する部分があったのですが、それがほぼなくなり、常に安定した分離精度が確保されたように感じます。
もちろん、それに伴って楽器の分離も良くなっているため、とにかく自然で誇張のないサウンドが実現されました。
その効果はCD,SACDはもちろん、レコード再生においてもフォノイコライザーの底上げからか、音源に関わらず安定して音楽そのものを満喫できるようになっています。
等身大の生がじわじわと心にしみていく感覚は単なるオーディオアクセサリー導入で感じるものの域を超えているようにすら思えてしまうほどです。
次回はリアリティエンハンサーの種類としては最後の「RES-XLR」を取り上げてみます。
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