ACOUSTIC REVIVEのアンダーボード「RST-64」の出物を見つけたのでゲットしてみました。
以前からパワーアンプの下だけSOUND GUARDだったりfinal(OTAIかも)のボードを使っていて、ヒッコリーボードやクォーツアンダーボードの良さを痛感していただけに替えたいなぁとは思っていたのでした。
とりわけパワーアンプはスピーカー間に設置していますから振動の影響も大きいはずで、そういう意味では振動対策のされたものが良いかなと。
RST-64はもうだいぶ前のモデルで、中身はクォーツではなくビーズですが、かなり凝った構造になっていて「あまりに高価な素材と非常に手間のかかる製造法(組立工程)のため」製造中止になったんだそうです。
多少は知っているつもりでしたが、やっぱり中を見てみたいなぁというのと、上板が片側だけ高くなっていたのもあり、裏側のネジを外してみたんですが、いやはや大変なことになりました。
中身はご覧のようにビーズだったわけですが、これがギッシリ入っていますし、撮影を忘れましたが黄銅のプレートが板の周囲に装着されるなど、非常に手間のかかった作りになっています。
それより何より、元に戻すのに冷や汗をかく始末でした。
ネジの本数も尋常ではありませんし、ビーズをこぼさずにキチッと収納するのは至難の業です。
板が傾いていたのは上板と枠の間にいくつかピーズが入り込んでいたため(たぶん輸送時かな?)、それを撤去する意味では開けてみて良かったのかもしれませんが、これは気軽に開けると泣く目に会います。
なんとか元に戻せたところでひと休憩した後、当初の予定通りパワーアンプ下のボードを入れ替えます。
サイズは高さこそfinalのほうがありますが、他はRST-64のほうが大きいですし、作りも非常に高級感のあるものです。
交換して早速鳴らしてみますと、とにかくパワーアンプの存在を感じさせず、音楽だけがぽっかりと浮かび上がるようになりました。
以前のSOUND GUARDほどではないにせよ、やはりこれまでのボードは金属的な響きが乗っていたのだなと感じます。
もちろん良いものもあるのかもしれませんが、私が色々試した感じでは「ボードを入れましたよ!」という主張が強過ぎるものが多い印象です。
その点、ACOUSTIC REVIVEのボードはむしろ存在を忘れて裏方に徹してくれるので安心感があります。
しかしただ存在感がなくなっただけではないことは聴いていくうちに徐々に明らかになっていきます。
まずはウーファーの口径が大きくなったような感覚で、音の重心がグッと下がっています。
決して低音の量自体が増えたわけではなく、余計な振動が減ったからか「出るところが出る」というような雰囲気になりました。
体感的にスピーカーのエンクロージャーや床が頑丈になったような方向性の変化ですから、それだけパワーアンプの振動による影響が低減したのだと思われます。
また、音の消え際がとても美しいことにも驚かされました。
今はプリアンプがC-200Lになっていて仮状態なのですが、それでも以前にも増してボーカルや楽器の表情がつぶさに描写されてくる
音楽が淀みなく浮き上がり、ブーミーさやキツさが全く感じられません。
かと言っておとなしいわけではなく、むしろ全体的に音は前に出てくるようになっています。
これでいちばん変化を受けたのはSACDの再生時です。
これまではCDならばDC-81を通したほうがガツンと来る感じで良かったですし、SACDだとDP-77単体になるので長短相半ばするところもあったのですけど、RST-64導入で明らかにDP-77単体のほうが良くなってきました。
やはり新しいDAC(当社比)ゆえ、余韻の描写が緻密で精度が高いからなのでしょう。
C-200LがXLR入力を持たないため、DC-81がRCA接続というのもマイナス要因になっているとは思いますが、粒立ちの粗さがやや目立つようになっていて、今までは勢いで誤魔化していたのかな、と感じる側面もあります。
もちろん、今はプリが違うので、戻ってきてからが本領発揮だと思いますが、むしろそれが楽しみです。
RST-64の中身を場合によっては水晶に詰め替えることも考えていましたけども、どうやらその必要はなさそうです。
音質的に文句なしというのもありますが、構造からしてアレを自力で詰め替えるのはかなり困難でしょう。
また水平を出したい場合にもビーズの位置を手で均したりはできませんから、その点でも現行のクォーツアンダーボードは扱いやすいと感じます。
レコードプレーヤー下などで使う場合にはRST-38HやRAF-48Hのほうが有効だなとも感じた次第です。
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