ACOUSTIC REVIVEさんから電源BOX「RTP-4 absolute」をお借りしました。
うちのシステムには少々不釣り合いかもしれないなと思いつつも、進化した電源BOXの仕上がりがどうしても気になり、お借りした次第です。
ちなみにアコースティックリヴァイブさんでは「無料貸し出しキャンペーン」を実施されています。
さてまずは開梱してみますと、4口とはいえ、かなり大柄で重量感のあるアルミ塊のようなBOXが姿を現します。
現状、うちでは3つのオーディオ用電源BOXを使っていて、そのうち2つを私が使用していますが、そのうちの主にアンプ系のShelterのを置き換えて試してみようという企てですので、4口のRTP-4 absoluteをお借りしました。
Shelterのと大きさを比較していただければ、その大きさが一目瞭然かと。
ただ、むやみに大きいわけでもないので、設置場所に困るというようなことはありません。
裏面にはしっかりしたインシュレーターも装備されています。
接続はShelterをそのまま置き換えた形ですので、BOXまでの電源コードは同じACOUSTIC REVIVEのPOWER STANDARD-tripleC-FMを使用して壁コンセントから直接引いています。
接続するのはLINNのアンプ2台、それにMarantz CDプレーヤーとCreekのフォノイコライザーのACアダプターです。
これらの電源コードはそれぞれバラバラですが、一部には同じくPOWER STANDARD-tripleC-FMも使われています。
まずは繋ぎ替える前に、従来のShelterでの音を聴き直しておきます。
傾向としては、やや低域が甘い印象はあるものの、温かみのあるバランスに仕上げてあるつもりでした。
DALIのRoyal Menuet IIの音傾向を受けた部分もありますが、中域はやや集めでボーカルはやや膨らむ傾向が見られます。
半面、高域側は解像度も高く、低域もベースの階調がしっかりしていると感じていたので、これがどう変化するのか期待しながら、早速置き換えてみます。
ちなみにコンセントの挿し具合はそれほどきつくなく、むしろゆったりした挿し心地で、プラグの電極を痛めることはなさそうです。
さて肝心のサウンドですが、一音出てからすぐ、引き締まりつつもしっかり伸びた低域が印象的でした。
特にドラムでこれが顕著で、これまではただドスドスと鳴っていただけだったのが、階調までしっかり表現できる低域に変化しています。
この低域の質的な(量的ではなく)充実感たるや、かなり尋常ではないものでして、これを受けて高域のほうも透明感がぐんと上がりました。
全体的な音方向としてはややクールな音色に振られましたが、これまでは温度感のある温かみを出してるつもりでいたものが、実は低域を中心に情報量を削いでいたというのが明白になってしまいました。
女性ボーカルでは舌の動きまで分かるような生々しさで、今までと同じ機材・セッティングなのか、疑ってしまうほどです。
低域が濁らないので、全体がすっきり見通し良いのでしょう。
楽曲によってはそれで曲の印象が軽くなったように感じる場合もありますが、それはどうやら録音自体のアラが出ているのだと思われます。
普段からセッティングを変えた時に使う自作のテストディスクにはあえて録音がそれほど良くないものも入れてあって、オールマイティに調整できるようにしてある、という背景があるんですが、その差はしっかり分かるようになりつつ、音楽としての楽しさはそのまま奪わないのは、やはり基本となる電源がしっかりしたことによるものでしょう。
とりわけピアノでは打弦と響きのバランスが非常に良く、おそらくこれも低域の濁りがなくなったことによるものだと思われます。
やや大編成のクラシックでは透明感が静寂にもつながり、曲そのものの世界観に引き込まれていきます。
特にヴァイオリンの倍音が濁らず、伸びやかにかつしなやかに主旋律に添えられる雰囲気は、いわばハイレゾとCD音源を聴き比べた時のような感覚に似ています。
まずは肩慣らしのつもりで軽く聴いてみるつもりだったのですが、もうこの時点で現行環境からの大きな変化に驚かされています。
RTP-4 absoluteはよりオーディオ的に機材の能力を最大限に引き出すべく、強固なまでの下支えをしてくれる電源BOXといえそうです。
なによりもっともっと音楽を聴いていたくなる、そう思わせてくれる魔力を持っています。
短い期間にはなりますが、今後はアナログレコード、PCからのハイレゾ音源再生などを試してレビューさせてもらいつつ、素晴らしいサウンドを楽しませてもらおうと思っています。
#元に戻した後のことが今からちょっと怖いですが…。
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