ACOUSTIC REVIVEさんからお借りしている電源BOX「RTP-4 absolute」ですが、今度はMacで再生したハイレゾ音源でレビューしてみます。
ハイレゾでの変化という意味合いもありますが、パソコンからの影響をどれだけ低減してくれるかも試聴のポイントでした。
結果から言いますと、これまでの電源タップより「パソコンらしくない」サウンドになってくれました。
Audirvana Plusをはじめとして、音の良いプレーヤーアプリは下手な専用ディスク機よりも低歪みで高音質ですが、やはりパソコンからのノイズというのはその後のアナログ系に影響を与え、どうしてもパソコンっぽい刺激性のあるものになってしまいがちです。
これまでもそれを防ぐべく、今回のRTP-4 absoluteを主としてアナログ系、WireWorldをデジタル系としてコンセントプレート「CB-1DB」を装着した壁コンセントから取り、そしてパソコン回りは全く別のコンセントから引き回していましたが、それでもパソコンとの物理的距離はどうしても近接していて、外来ノイズからの影響を受けていた印象がありました。
今回、RTP-4 absoluteを使用すると、これまで刺激的に感じていた面が非常に薄らいでいると感じました。
もちろん、かと言って低域や高域が出ていないわけではなく、これまで以上に伸びているわけで、物理的なデータでどう変わったのかは正直わかりません。
ただ実際の音楽を耳にしてみますと、ハイドンのチェロ協奏曲では余韻が美しくなり、全体に濁りがなく、透明感が増していてハイレゾ音源の良さのほうが際立ったものになっています。
定位も明瞭ですし、元はアナログ録音の古いものにも関わらず、決して古さを感じさせないものです。
ポップスのDSD音源も同様に古いアナログ音源からのものですが、録音自体の古さは感じるものの、音の鮮度は高く、瑞々しささえ感じとることができます。
サウンドも、DSDらしい上品さのあるものです。
ジャズも録音が古いもので、これまではさすがに古臭い音だと感じていましたが、これまでよりも熱気が感じられるようになりました。
再生される音楽そのものも不思議と歪みが減って聴こえるのが不思議な感じです。
ここらでさすがにもう少し録音の新しいヴァイオリン協奏曲を聴いてみますと、こちらはさすがに情報量が多く、楽器の分離が非常に良いです。
音の鮮度もやはり高いですし、ヴァイオリニストの動きまで音の定位としてしっかり表現されているのが分かります。
これまでの電源BOXではそこまで伝わってくることはなかったですし、そこはやはり電源や周囲からのノイズの影響が軽減されたことによるものかと推測します。
録音に定評のあるLINN Recordsの音源では、部屋の響きがしっかり表現されているのが分かります。
ノイズによる余計な装飾がなくなり、純度が高まったのを感じとることができました。
まさにそうした細やかな表現の差を出してくれるのがハイレゾの良さですが、そこを実際に差として聴き取れるためには、電源回りなど、こうしたしっかりした下地がないとダメなのだと改めて感じました。
もちろんそれは電源BOXだけではなく、機材配置や電源やUSB周りなどの積み上げで表出してきたものだと思います。
ここであえて非ハイレゾ音源も織り交ぜて聴いてみました。
直接音ではハイレゾ音源とそれほど大きな変化はありませんが、残響や空気感のような間接的な音表現の部分でしっかりと差が出ているのを感じとることができます。
もちろんハイレゾだから必ずしも録音が良いわけではないですが、音源に含まれている音楽の全てをしっかり聴けるというのは、オーディオとしてだけではなく、音楽ファンとしてもうれしいところです。
ちなみに前述のとおり、DACやDDCはデジタル系ということで、RTP-4 absoluteは使用していないわけですが、アンプだけでもこれだけ大きく違いが出ているというのは驚きです。
いくら良い電源BOXでも、やはりできれば系統ごとに電源BOXを分けるのが良いと個人的には考えています。
そういう意味ではむやみに多口のBOXを選ぶのではなく、4口のRTP-4 absoluteを2つなどにするほうが良い結果が得られるのではないでしょうか。
ただそうなるとどうしてもコスト面が気になってくるところです。
デジタル系はまだ頑張って良いタップを選ぶべきだとしても、パソコン系などでも使える価格帯のタップもできれば欲しいところです。
そもそも私のシステムくらいだと今回のRTP-4 absoluteはちょっと「奢り過ぎ」なわけですし、今後はぜひ廉価モデルにも期待したいところです。