ACOUSTIC REVIVEさんの訪問でうちのシステムの弱点もいろいろ分かり、機材ばかり入れ替えるのではなく手持ちの素材で自分が目指す方向へ熱意をもって取り組むのが今の課題だと気づいていろいろやってきました。
具体的にはSoundgenicの定電圧電源化、AKURATE DSへのRMF-1投入、そして自作の仮想アース設置といった具合です。
他にもUSB3.0ハブがBluetoothの動作を妨げることからUSB2.0のセルフパワーハブを復活させたのですが、このACアダプタがヒドいノイズで、こちらもUSB-DDC用に以前買った秋月電子のACアダプタに交換してかなり改善されました。
聴いてみての追い込みもやっていますが、残留ノイズ計測という客観的な指標もできたおかげもあり、迷いなく追い込めるようになったのも改善が進んだ理由のひとつになっています。
そして最も効果が出そうな改善点として訪問時にもアドバイスをいただいたのが単線のスピーカーケーブルへの変更でした。
以前のシステムでは同社の切り売りスピーカーケーブル「SPC-REFERENCE-TripleC」を使っていたんですが、当時はデスクトップオーディオみたいな使い方で長さが短いと思いこんでいて眠っていました。
実際には1.5mほどで余裕があるとはいえませんが、しっかり届く長さでしたし、バイワイヤリング用に4本ありましたから、コレを使わない手はありません。
ただ懸念事項はもうひとつありまして、現在使っているパワーアンプ「P-550」はスピーカー端子が2系統あってバイワイヤリングに格好の条件なのですが、端子が太すぎてYラグが入らないという課題を抱えています。
TechDASのSuper BANANAもあるのでバナナに変換する手もありますけど、それだと単線のメリットが薄れてしまう気がして、今回はバナナプラグやYラグは使わないことに。
B&W Matrix 802 S2のほうもお世辞にも頑丈な端子ではなく、緩んでショートしてもいけませんからね。
一旦交換してみたものの、正直言うと一度、PADに戻しました。
というのも変化があまりに大き過ぎて像がシャープになり過ぎたように感じたためです。
見た目やお値段などの先入観もありましたし、ホントにスピーカーケーブルだけでこんなに変わったのか再チェックするためもありました。
しかし戻してみると、なんともフワフワと揺らぐ印象があり、響きもぼんやり乗っていて、何より高域が全然伸びていません。
ここで覚悟を決めまして、やはり単線で仕上げるぞ!と決意し、念のためケーブルや端子を導通向上クリーナーでキレイにし、余計なケーブルは片付けてケーブルインシュレーター「RCI-3H」も適切に配置しました。
RCI-3Hは今までよりもスピーカーケーブルに割り当てる数を少なくできましたから、より効果が高いであろう電源ケーブルに2つ移動させました。
これだけでもずいぶん低域の被りは減少し、楽器の位置関係や見通しが良くなりました。
音像が明瞭でフォーカスが合ったような感覚は単線ケーブルであればこそ、なのでしょう。
とにかく音像のシャープさが印象的で、スピーカーユニットからの出音を感じさせないものになりました。
それだけに以前から気になっている部屋の左右不均衡から来る定位の偏りも目立っていましたので、主にWS-1の位置を追い込んでビシッと定まるともう元には戻れない完成度に。
AKURATE DS、DP-77はコレでだいたいOKで、レコードプレーヤーのほうはラテラルバランスを微妙に調整しなおして、かなり追い込んできている段階です。
とにかくスゴいのは今までだとソースや音源ごとに良く分からなかったり迷いが出たりしていたのですが、SPC-REFERENCE-TripleCに変更してからは「どう考えてもこっちでしょ!」と言い切れるようになったのには驚かされます。
逆にこれまではあまりに歪んでいて、長時間聴いているとちょっと大げさに言えば、なにやら三半規管がおかしくなったような感覚があったのですけども、それがすっかり解消されました。
部屋の影響が大きいのだとばかり思っていましたが、もちろんそれは完全には解消していませんけれども、少なくとも調整の良し悪しを正確に判定できるようになっただけでも効果は絶大です。
あとはRWL-3の角度やトーンアームのセッティングの追い込みなどをやっていきたいと思いますが、単線スピーカーケーブルの良さを再認識した次第です。
切り売りだと手の届きやすい価格だと思いますし、さらにお手頃なSPC-AVもありますので、ふんわり方向に行き過ぎて音が定まらないとお悩みの方は試してみる価値はあるかと思います。
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