ACOUSTIC REVIVEの単線スピーカーケーブル「SPC-REFERENCE-tripleC」を久々に再投入してみました。
引っ越して設置やスピーカーが変わったこともあり、長さの面やスピーカーターミナルの強度不足などで使用を見送っていたわけですが、同社のバナナプラグ「RBN-1」を導入したことで取り扱いがしやすくなったこともあり、再投入してみることにしました。
ちなみにYラグ「RYG-1」も持っていますが、残念ながらスピーカーもアンプも構造と寸法で使えませんでした。
バナナプラグでも単線の太さの都合でやや取り付けに苦戦しましたが、装着してしまえばバナナプラグでの接続はらくらくおこなえます。
これまで使っていたQED Ruby Anniversary Evolutionもかなりのお気に入りですが、それと比べてもガザガザした質感が減って滑らかになったように感じます。
とりわけ高域の音速が上がったようで、低域も膨らまずにゴリゴリした剛性の高いものになりました。
面白いのはスピーカーユニットの振動板が引っ込む時のリニアリティが向上したような感覚を覚える点です。
これにより音のキレが良くなり、細部の表現の精度が上がっています。
実際の音の変化で言いますと、奥行き方向の定位が明瞭になって、映像で言えばピントが合ったような感じに変化しました。
また、スタジオ録音以上にライブ盤の生々しさといいますか、鮮度が素晴らしいのが特徴的です。
反面、低域のキレは良いものの、ぐっと重いところはやや落ち着いたかなという気もします。
どちらかと言えば中域を重視しつつ、適度な帯域感でタイトに鳴らす印象でしょうか。
よりワイドレンジな雰囲気があれば言うことなしですが、それはスピーカーケーブルというよりも805の特性を素直に出しているのかもしれませんし、カートリッジや他の箇所に要因がある可能性も高いかと思われます。
ただ、そうした細かいところ以前に、生々しさがある上に音がぐいぐい前に出てくるので、聴いていて楽しく躍動感で心躍る音楽が楽しめます。
B&WやAccuphaseといった、どちらかと言えばクール寄りの機材から、とても熱いサウンドが出てくるのが新鮮な気分です。
もちろん単線の扱いにくさというのは私も実際に使って理解していますし、スピーカーとの相性や調整のためにあえて特色のあるスピーカーケーブルを使うのは私も良くやる手段です。
それを踏まえた上でも単線ならではの魅力というのはぜひ一度体験してみてほしいところかな、とも改めて感じました。
なお、さらに廉価な「SPC-AV」もラインナップされていますので、お試しにはそれも良いかと思います。
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