ACOUSTUNEのイヤホン「HS1300SS Verde」を入手しました。
先日のお試し入手の「RS ONE」が良好だったので本命に手を出した感じです。
残念ながら近隣では試聴できる場所がないので実物も見ないままの購入でしたが、見た目の金属感とは違って自然な出音です。
重さも見た印象ほど重くはなくて装着感も良好です。
RS ONEの時もそうでしたが、エージングというべきか、少し鳴らしたほうが音が馴染む印象があるので多少鳴らし込んでから本格的に聴いていきました。
全体としては軽快でもたつきが少なく、ベースはタイトでドライな傾向ではありますが、振幅が正負ともしっかり描写されているのはさすが最近の製品という印象で、無駄がなくクールな音傾向だと感じます。
かなり強めのベースが入っても背景のパーカッションや管楽器がにじまなかったり、音圧高めの音源でも破綻しづらく細部も出てくるところは現代的なまとめかただなと思います。
ケーブルはイヤホン側がPentaconn earということもあって手持ちにはありませんが、ARC61という8芯の高純度OFCのものが付いているので3.5mm3極で良ければ交換は不要でしょう。
ケーブル自体がやや太めですけど取り回しは若干よじれがちな以外は扱いやすいです。
イヤホンの接続部がかなり「斜め上」に刺さるような形なので耳掛けはやや慣れが必要なくらいでしょうか。
主にiBasso DX160で試聴してみましたが、どのDAPでも自然な音色で管楽器の抜けが良く、付帯音も少なめです。
いわゆる多ドラと比べればワイドレンジというわけではないですが、欲張り過ぎずに音の濁りを最小限にするような方向性です。
若干中域が厚めなのでボーカルとの相性は良いようで、かといってそれを強調し過ぎてくどくなったりしすぎない程度にまとめてあります。
どんな楽曲でも全体に少し澄んだ感じに仕上げてくれる感じは、とても分かりにくい喩えで恐縮なのですがうちのROKSANのスピーカーの音に似ています。
イヤーピースは、AET02(F)、AET06(S+/M+)、AET07(S/M/L)、AET08(S/M/L)となかなかたくさん付属していて、当初はAET07を使っていました。
他の方の感想で目にした低域が抜けるような感じというのは特に感じなかったので、私の耳にはフィットしていたみたいです。
ただACOUSTUNEのイヤーピースはやや開放的な雰囲気で音の広がりを演出してくれるように感じますが、その分、耳に届くパワー感といいますか、押しの強さみたいなところがやや薄めだと感じて、SpinFit W1に交換してバランスを取りました。
SpinFit W1は正直、これまではどのイヤホンに付けてもIEMっぽさが強まりすぎて圧迫感のような部分のほうが目立ったのですが、HS1300SSに関しては相性が良かったみたいです。
手持ちのMaverickやDORADOも素敵なイヤホンだと思いますが、最近のイヤホンはやはり進化している部分も多いなと感じます。
今はワイヤレス主流でワイヤードも廉価で優秀なものがとても多いですし、その中ではかなり「高級」な位置付けになってしまうかもしれませんが、それだけの満足感が得られる作り、音質を享受してくれるイヤホンかなと感じた次第です。