AUDIO DESIGNからフォノイコライザーを主体としたプリアンプ「DCEQ-1000」が12/10に受注開始されるそうで。
ちょっと他のオーディオブランドとは違う視点で技術者目線とでも言えるようなテイストの製品が主体だと勝手に思っていますが、今回のはちょっとだけ毛色が違う印象もあります。
まずお値段が同社としては初の100万円超えという、ハイエンド(この呼び方はキライですが)向けになっています。
ただし外見を仰々しくしてお高く仕上げたわけではなく、中身を投入した結果のお値段(そんなにたくさんは売れないからという事情もあるでしょうけれども)というところでは立ち位置は変わっていないのかも。
内部を見るといかにも良質そうなアナログボリュームが目立ちますし、同社らしい設計に仕上がっているなと思います。
おそらくアルプスのRK50114A0001だと思いますが、これだけで14万円くらいしちゃう代物です。
また、フォノイコライザーはMCとMMで別々になっているようです。
MMに電子式連続可変容量回路を装備していてMMもちゃんと重視した設計ですが、MCはRCA接続でもバランス入力受けできるなど、それぞれに面白いフィーチャーを載せてありますね。
プリアンプと一応書きましたが、実際にはLINE INは1系統のみですから、ホントにもうフォノイコライザーが主体の設計です。
ここまでやるならボリュームのコストを考えたらプリアンプと分離したほうが良い気もするのですが、むしろラインセレクターを分離すれば良いじゃないか?という考え方なのでしょう。
もうひとつ目を引くのは正面の液晶モニタでしょう。
ここにカートリッジの周波数特性やクロストーク成分などの測定結果が表示できるんだそうで、フォノイコを兼ねたカートリッジ計測器のような趣きはまさに同社らしい感じですね。
ただ、フォノイコ近辺にこうしたディスプレイなどの回路はノイズ源になりそうな気もちょっとしてしまいます。
その辺りは各アンプごとに独立のGNDを形成した「クリーン・グラウンド電源」というものになっているんだそうです。
個々に独立電源にしたほうがむしろ簡単なようにも思えますが、そこもこだわりでしょう。
さらに付属品に「測定用テストレコード」が付いてくるというのがまぁなんとも。
スペック上の歪率はMMで0.0006%、MCでも0.004%を謳ってありますが、その条件が書かれていません。
それこそグラフで出してくれればいちばん分かりやすいと思うのですけど、最近の機種は他社も含めて、そうした計測結果が載っていないのが少々残念です。
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