時代に反して(いつものこと?)、すっかりアナログレコードにハマった状態ですが、オーディオテクニカのMCカートリッジ「TT30E」をゲットしました。
せっかくONKYOのP-308を修理したのでMCカートリッジをぜひ試してみたかったんですよね。
最初はネット通販やオークションを狙っていたんですがなかなか安くて良いものがなく、結局、父が安い出物を見つけてくれました。
このカートリッジ、ちょっと変わり種で、MCカートリッジのくせに針交換可能という特殊なものになっています。
どうやら同社のVM型のマグネットとコイルが逆転したような構造らしいです。
同様のものとしてAT30Eは多少有名なんですけど、それとスペックはほぼ似たような感じです。
違いはたぶん針がTT30Eでは0.4×0.7mil楕円なのに対し、AT30Eは0.3×0.7mil楕円という程度ではないかと。
それが差になるのか、周波数特性も高域の伸びがちょっと違います。(TT30Eは15Hz~30kHz。AT30Eは15Hz~50kHz)
当時、同様の針交換式MCがYAMAHAやPioneer、SONYなどから出ていたらしいですし、そのうちの一部のOEM品がベースになっている可能性もあるのかな?
針交換式といってもすでに針は入手不可能に近いでしょうが、ADCのヘッドシェル「ALH-1」が付属していた、というのもチョイスした理由の一つです。
ヘッドシェルやリード線なども個別に買うと結構なお値段ですし、このALH-1はアルミ合金ブロック削り出しで重量も15.5gと重量級で良さそうだったんですよね。
元から付属と思われるリード線も太いものが装着されていますし。
あまり重すぎるとトーンアームで対応しきれないケースもありますが、今回の組み合わせはなんとかゼロバランスを取れる範囲内でした。
早速、再生してみるとやっぱりMCらしい特徴がしっかり出つつ、しかもオーディオテクニカらしい雰囲気です。
元々プレーヤーに付いていたAT71とはさすがに情報量にダントツの違いがあり、セパレーションもずいぶん良好です。
低域は意外と軽快な感じもあり、高域はだいぶ華やかめですけど、そうした細かな違い以前に格段の差があるのが一聴瞭然です。
P-308にはMCが2ポジションありますが、TT30Eの負荷抵抗は10Ω以上ですので、当初は10~40Ωにしていましたが、念のため、3~10Ωも試しました。
3~10Ωのほうが見通しが良いものの硬質さがさらに強まってしまい、一聴したところは良いですけど、これではアナログレコードの良さが薄まるかな、という印象です。
対して10~40Ωだと切り替え直後はややナローレンジになる感じることもありますが、耳触りの良さはこっちだなと思うので、現状は10~40Ωで行ってみるつもりです。
針圧は今のところ標準の1.7g(1.5~2.0gが定格範囲)にしていますが、この辺りも試行錯誤する要素の一つでしょうし、オーバーハングももっと厳密に詰めたら良いかも。
こういう調整箇所の多さもアナログレコードの特徴で、それを楽しいと感じられるかどうかがCDとの大きな違いだとも感じます。
そういうこともあってか、最近はレコードを聴くか、もしくはパソコン側でAudirvana Plusのどちらかというパターンが多くなっています。
カートリッジの話からは逸れますが、アナログレコードを聴くようになってハイレゾ音源の良さ(特に古いアナログ音源からのもの)も再確認したような部分があります。
そういう意味ではSACDも良いだろうなぁと思うのですが、しばらくはレコード再生周りを色々楽しみたいところです。