Campfire Audioのイヤホン「NOVA CK」を手に入れました。
Campfire Audioは2年くらい前に人気のANDROMEDAから各種お借りしてレビューさせていただいて以来、ずっと狙っていたのですがなかなか機会がありませんでした。
しかもその時に(予算内で)いちばん気に入ったのがNOVAだったのですが、これが発売期間が短くてちょっとマイナーなんですよね。
今回のはその後継モデルとなる「NOVA CK」で、セラミック複合コーティングになったものでたしか多少形状も変更になっていたはずです。
ANDROMEDAを始めとして使っていくうちにハウジング表面の色が剥がれるケースがありますが、耐摩耗性はCKで上がったとはいえ、それでもかなり傷が目立つものが多い気がします。
今回の個体も普通に中古ですが、わりと状態は良さそうです。
私自身は傷も味わいだとは思ってますけれど、そりゃあキレイなほうが嬉しいのは間違いないですね。
その分、あまり使われていなかったのか、最初はエージングとまではいかないにしても慣らし運転が必要でした。
しばらく楽しく聴きながら馴染んでくると、当時試聴させてもらった当時の穏やかでありつつも、広がりと深みのあるサウンドが出てきました。
NOVAは2BAですがそれぞれフルレンジ駆動という形態で、帯域は欲張っていない分、出ている帯域は良質そのもので純度の高いものです。
スペック上の周波数特性でいえば10Hz-19kHzと「ハイレゾ対応」でもありませんが、音楽を伝える力がとても強いと以前から感じています。
装着感はNOVAから少し改善されているようで、耳が痛くなりづらいように思います。
長時間付けても気にならないのは装着感も音も同様で、尖ったところがなく、長時間楽しむことができるものです。
むしろ、楽しみ過ぎて他との落差を痛感するのが危険なほどで、NOVA CKを聴いた後にテレビや他の音源を聴くと粗がとても気になるケースがありました。
DAPのS/Nも当時、ORIONで気になりましたが、NOVA CKでもやはりかなり求められます。
その分、音量は取りやすいですけれども、単純にアンプ部の残留雑音だけではなく、音楽ソース内の暗騒音もしっかり聴き取れてしまいます。
思った以上に上流にも厳しく、鳴らしにくいのではなくて誤魔化しが効かない印象なのです。
NOVA CKで聴き始めてからAK100 mkIIのPRO EQやゲインUPなどの設定は見直しました(ともにオフ)が、それでもやはりPLENUE Sとの差が際立ってしまいます。
PLENUE Mですら、PLENUE Sとはだいぶ差を感じて、どうしてもDAP側の雑味や歪みが目立ちがちです。
PLENUE Mの場合は低域の力強さと質感は確保されているので、それほど大きく聴き劣りすることはありませんけども、上流の歪みが非常に明瞭に判別できる分、雑味が出やすいのでしょう。
その点も含めて、PLENUE Sとの相性が良いようです。
付属のケーブルはALO audioのLitz Wire Earphone Cableで、当然ながら3.5mm3極のアンバランスですが、NOVA CKとの相性は良さそうです。
ただ、さきほどのようにDAPによっては低域が強めに感じたり、雑味が出るように捉えてしまうケースはあるようで、それによってはリケーブルしたほうが目立たなくなる部分はあるのかもしれません。
一応、SXC 24や3.5mm4極のTinsel、さらにはfinalのシルバーコートMMCXケーブルなども試しましたが、他のイヤホンとの兼ね合いを考えれば純正のままで良いと判断しました。
可能性をいちばん感じるのはSXC 24ですけども、これは耳掛け部分に針金がないわりにケーブルが硬いのが難点なんですよね。
そこはまた別の機会に対策を講じた結果を報告したいと思っています。
ちょっと順番が入れ子になってしまいましたが、イヤーピースは付属していたものがだいぶくたびれていましたので、SpiralDotを使っています。
final Eタイプが候補だったのですが、これは相性が良くなくて窮屈な音になってしまいます。
おそらく開口部が広めのほうが合うのでしょう。
SpinFitも付属していたくらいなので、そちらも一度は試してみようかとは思っていますが、現状はSpiralDotで不満はありません。
比較編はまた使い込んでから別途書こうと思うので今回はこのくらいにしておきますが、NOVA CKの総括はこんなところでしょうか。
ネットワークレスの純度を最大限に引き出しつつ、2BA駆動で深みを極めた音楽的精度の高いイヤホン
Campfire Audioというとリスニング寄りのイメージがありますけども、その中では意外とストイックな部類かもしれません。
雰囲気で誤魔化さず、かなり直球勝負で現代的な傾向を保った中で、Campfire Audioらしい温もりのあるサウンドを確保しているなと感じているところです。
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