Campfire Audioさんのレビュー第2弾はシングルBA2基のモデル「NOVA」です。
NOVAは新しいモデルということで、ケースは上に開く形になっていて、ORIONよりもなんとなく上質な雰囲気があります。
付属品の類いはほぼ同じなので、今回は早速、サウンドを確かめてみましょう。
まず、ORIONで結構目立っていた残留ノイズですが、多少はあるものの、ORIONほど目立ちません。
ORIONのインピーダンスが17Ωに対して、NOVAは22Ωですが、それ以上の違いのように感じられました。
音の傾向もだいぶ違っていて、定位はORIONほどビシっと決まる感じではなく、もう少し広がりを重視した印象を受けます。
ストイックさを感じるのはORIONのほうですが、2つのBAがそれぞれフルレンジながらも、それぞれの役割を果たす形で、NOVAのほうが明らかに余裕のある鳴り方になっています。
また、2BAによる効果なのか、中高域のキツさもかなり抑えられて、穏やかさを感じる仕上がりです。
帯域の不足も全く気になりませんし、ゆったりとした気分で音楽を楽しませてくれます。
順序はちょっと逆転しますが、さらに上位の2モデルと比べてみてもNOVAにはNOVAの良さがあり、うちのDAP環境(FiiO X1,ALO audio The National)くらいなら、NOVAのほうがゆったりと楽しく聴ける部分もあるように感じました。
ジャズは弾んで聴かせてくれますし、クラシックはしっとり、時として情熱的に表現してくれます。
ここで本来はJUPITERの付属品である「ALO audio Tinsel Earphone Cable 2.5mm4極」を使ってリケーブルしてみることにしました。
目的は当然、DigiFi付録アンプでバランス接続して聴いてみようというわけです。
アンプも変わったわけですが、同じDigiFiのアンバランス接続と比べても音の広がりがかなり増しています。
The Nationalではやや曇ったところがありますが、だいぶ澄み渡った感触になり、これならNOVAでもかなりのところまで到達できるのではないか、とさえ感じます。
逆に言えば、前述のとおり、今のDAP環境ではNOVAくらいまでが妥当で、そこから上はもう少し上級のものと組み合わせるべきなのだろうな、とも思わされました。
さらにレビューの順序を無視して、ANDROMEDAをDigiFiのアンバランス接続で繋いで、NOVAのバランス接続と較べてみました。
さすがにこれは無謀かと思えたのですが、実際やってみるとNOVAがかなり健闘しています。
ANDROMEDAのほうがやはり圧倒的に広帯域ではありますが、アンプ側の力不足もあってか、ややパワー感に物足りなさを感じ、うるさめに感じます。
その点、NOVAのバランス接続はウェルバランスで、ほどよい厚みと鮮度が両立しています。
そんなわけで結論からすると、(価格面も踏まえて)NOVAが個人的にはベストチョイスという感じになりました。
もちろん、それは現状のポータブルオーディオ環境の実力とのバランスや相性もあるのでしょう。
ただ音源が良ければ、まだ「こんな音が入っていたのか」という発見がある点も含めて、NOVAのまとめ方にはうま味を感じる部分が多かったように思います。
今後はJUPITER、ANDROMEDAと続きますが、まだ他にもRx MkIIやiPhone直挿しなどもありますから、途中で脱線して比較編も書いてみるかもしれません。
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