ヘッドフォン周り強化月間みたいになっていますが、今度はメイン機材にCardasの電源ケーブル「Golden Power Cord」を追加してみました。
これもヘッドフォン周りが遠因でして、LUXMAN P-1とHD-7AにそれぞれCardas Quadlink,Twinlinkを奢ったこともあり、電源ケーブルがやや不足気味だったためです。
不足って他にもいろいろ持ってるでしょ?という声が聞こえてきますが、長さだったり使い勝手、音傾向とか諸々の事情があるわけですよ。
ニセモノも多いCardasですし、新しいタイプの電源プラグが優秀なのは分かっていましたが、なかなか良い出物がありません。
当初はLUXMAN P-1にLUXMANの電源ケーブルを入れれば良いのでは?と思っていたんですけど、財務大臣から「それはあんまり良くなさそう」という厳しい評価が…。
そこでPADかCardasか?の2択にしまして、財務大臣の許可がおりたのが今回のものだったという次第。
Quadlinkよりは一回り太く、先日返品した真偽の怪しいHexlinkよりも明らかに太いです。
同じCardasでもGoldenはややクセが強めと聞いていますので、どんな変化をもたらすか楽しみに導入してみました。
場所としてはわりと消費電力の多い上流が良いだろう、ということで壁コンセントからクリーン電源までの部分に投入です。
導入してまず感じたのが静寂感が上がった感覚です。
これまでと同じ音量だと小さくなったように感じ、もっと派手かと思いきや、それほどでもなさそうです。
左右に広がりが出た分、やや中抜け感はありますが、むしろ上品になっていて滑らかな印象です。
ただし、低域は深さが出ていて、その前の変更でなぜか出づらくなっていた20〜30Hz辺りの帯域もしっかり出てくれます。
また、主旋律だけではなく、ニュアンスや環境音、響きなど多彩な音楽の機微がより明瞭に出てくるようになりました。
それでいて芯はしっかり通っており、説得力のあるサウンドというのはGoldenの評判通りと言えるかも。
そこで調子に乗ってDP-77に、以前も好印象だったQuadlinkを再投入しました。
こちらの方が変化が大きく、さきほどまでの唯一の不満点だった中抜けっぽさも解消してくれました。
力強さと繊細さが両立し、ピアノの響板の響きもさらに明瞭になっています。
さきほども書いた通り、余韻などが以前にも増してしっかり表現されてきましたが、それが妙なリバーブ感のように余計につき過ぎることもなく、音源の情報に沿ったウェルバランスで表現されています。
もちろんそうは言っても、幾分の脚色は入っているようにも思われます。
Cardasらしく、やや音場は前に出てきていますし、Goldenの持つ優美さと呼ぶべきか絢爛さのようなものは付加されているようには思います。
ただクリーン電源への投入なのでシステム全体への影響度合いがほどほどに抑えられているのも、かえって好結果につながっている部分があるかもしれません。
さらに調子に乗ってCDPとプリ間のXLRケーブルもCardas Hexlinkにしてみました。
これこそ、かなりの曲者なところがあるのですが、Golden投入でCardas色が強まったのもあってか、それほど浮いた印象はなくなりました。
かなり厚みのあるサウンドになるのは相変わらずですが、奏でる音の世界に引き込まれるものがあり、ボーカルなどでは歌詞がしっかり入ってくるように感じられます。
かなりこってり風味になってしまうので飽きが来る可能性は否定できないところですが、AccuphaseやB&Wなど、やや淡白になりがちなウチの機器ではこれくらいでも良いかもしれません。
とはいえ、ちょっとこのXLR部分はまだ未確定な要素がありますけどね。
ヘッドフォン周りのほうもそれに伴って若干の見直しが入りました。
これまではQuadlinkをP-1、TwinlinkをHD-7Aに使っていたのにQuadlinkを奪ってしまいましたから、それに似た傾向のがなかったかなぁと考えた結果、DH Labsの自作ケーブルがあったのを思い出しました。
このケーブルはややクセがあるものの、低域がしっかりするイメージがあったのでそれがもし活きれば…という賭けみたいなものでしたが、どうやらそれが上手くハマったようでアンプの駆動力が上がったような感覚が出てきました。
しばらくこの状態で聴いた後、メイン機材に戻って聴くとそっちのほうがスッキリ系に感じるくらいクセはやはり強いですが、こちらも今のところはこれで行ってみようかなと。
話をCardas Goldenのほうに戻しますが、手持ちのCardasをほぼフル投入したこともあって、なんとなく生に近い(あえて原音とは言わない)感じにはなった気がします。
ヘッドフォンで聴く時間が増えたからこそ、スピーカーの存在をより意識しない音場展開になったのは差別化ができたようにも思います。
Neutral Referenceをスピーカーケーブルにしていた時はややかまぼこっぽい音傾向で物足りなさがありましたが、GoldenやHexlinkだと一音一音にインパクトというか、説得力があるのでそうした感じは皆無です。
ただ決して輪郭が強調されるわけではなく、鮮度ともやや違う不思議な感覚があります。
のんびり音楽を楽しみながら、これをどう説明したものかと思案してみたところ、「そうか!良いレンズでフォーカスが合った時のような感覚だな!」と。
これまでピントが合ってなかったというわけではないのですが、良いレンズってファインダを覗いてビシっとフォーカスが来た時の見えにゾクッと来るものがあるんですよね。
それは焦点が合ってる部分だけではなく、そこから緩やかにボケていく部分も美しいもので、まさにそんな印象があります。
それだけに音源そのものがシャープネス強めの場合はキツく感じることもあるのは確かで、そこはXLRが調整ポイントかなと。
ただ少なくとも低域の出方は現状のCardasの組み合わせが圧倒的に優位だと思いますので、しばらくはCardasフル投入で行ってみることにしたいと思っています。
Neutral Referenceが入ってないのでは?という声も聞こえてきそうですが、それは財務大臣がリビングで使用してますので、もう戻ってきませんのであしからず。
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