B&Wのスピーカー「Matrix 802 S2」のミッドユニットを多少補強したばかりですが、それに関する情報収集した中でツィーターのハウジングも強度不足があるようです。
分解して内部にダンピング材を貼ったりして補強している記事をいくつか見つけましたが、ユニットを破損する可能性がある作業にもなりますし、まずはハウジングの「箱鳴り」が出音に影響しているのか確認する意味も込めて、布を掛けてみることにしました。
最初は47研究所の鹿革が良いかなぁと思ったのですが、何処に収納したか分からず、たまたま出てきた茶楽音人のクロスを被せてみました。
気休め程度に思ったのですが、これが思った以上に音が変わります。
何よりボーカルや楽曲の音に実在感が出てきて、どうやら壁や背面からの反射が減ることが原因のようです。
その分、高域の伸びは落ちる印象もありますが、そもそも直接音ではない成分ですし、歪っぽいキツさも減衰するので良好な効果のほうが比率としては大きいように思います。
外すと高域はたしかに伸びますが、明らかに音が濁って感じます。
そこでツィーターの背面にはクォーツレゾネーターを貼ってみました。
ココには元々、正体不明のチップが貼ってあって、前ユーザーさんも同様の濁りを感じていたのかもしれません。
これにより布とはまたちょっと効き具合は違うものの、音がスッと前に抜けてくるようになったように感じます。
聴き比べた結果、コレがあればツィーターに布はなくても大丈夫そうと判断してミッドユニットの上のみに布を被せる形としました。
たしかにちょっと大きめの音量で再生中だとミッドユニットのエンクロージャが明らかに振動しています。
これが元々なのか、内部の制振材が弱ったためなのかは分かりませんが、ウーファーの上面は元々布が貼ってあり、その下には一部スポンジ状の素材も使ってあるようですから、吸音への配慮はやる価値があるのでしょう。
調子に乗ってミッドユニットの背面にもクォーツレゾネーターを貼りました。
こちらはやはり振動量が違いますし、効果としてはツィーターのほうが分かりやすいようで、布は布であったほうが良いという判断になりました。
ただ茶楽音人の布ではやや高域の減衰が目立ち過ぎる感もありましたし、素材での違いも試してみたくなり、シルクハンカチを入手しました。
表面がツルッとしていて薄手で滑るので、そのままだと落ちてしまいそうですから、仮止めテープで固定しておきます。
本来ならシリコンテープで固定するのが良いでしょう。
効果としては布が薄いためか、はたまた凹凸が少ないためか、茶楽音人の布より効果は弱めになっています。
また固定していない状態ですとエアコンからの風などで揺れた際に音像がブレる印象があり、やはりちゃんと固定したほうが良いようです。
仮止めテープながらも固定して落ち着いてくると、中域から高域にかけて非常に上品さが漂うようになりました。
見かけに惑わされている面もあるかもしれませんが、まさにシルキーさが付加されたような気がします。
実際に聴いていて一番の違いは、普段だとちょっと飽きてきてしまうCD1枚分がサラッと穏やかな気分で聴けてしまう点です。
やや刺激が減ったという側面もあるかもしれませんが、ケブラーのクセをだいぶ軽減してくれているような印象はあります。
何より布を被せてあるだけですから、気に入らなければすぐに外せるのが良いですね。
シルクのほうが効果は高いと思われますが、お手軽にはハンカチ辺りで試して聴いてみると、今まで気づかなかった共振や濁りに気づく機会になるかもしれません。
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