DigiFi No.22の付録ヘッドホンアンプをいち早く試させていただいていますが、今度は入力端子や音源となるDACなどを切り替えて試聴していってみたいと思います。
今回の付録には3.5mmミニジャックとRCAプラグの2通りの入力方法があります。
前者の場合は付録側のボリュームが有効なのですが、RCAプラグの場合はこのボリュームはバイパスされてしまいます。
したがってRCA入力したい場合には入力機器の側でボリュームコントロールができる必要があります。
そこでまずは普段、メイン機器のプリアンプ代わりに使っているLINN MAJIK-ILのPRE OUTと接続してみました。
付録側のボリュームがバイパスされるからでしょうか、残留ノイズはミニプラグ入力よりはほんの少し多くなりますが、特に気にならないレベルです。
音の厚みがしっかり出て、まさに普段聴き慣れたLINN黒箱の音で、黒箱の弱点もちゃんと暴いてくれます。
むしろもうこうなるとヘッドフォンアンプのレビューというより、圧倒的にMAJIKのクセを再確認している気分です。
もちろんそうした組み合わせの妙技を楽しめるだけのポテンシャルがあるのがこのDigiFi No.22付録ヘッドホンアンプの魅力ですし、実際、HD598ではそれが良い方向に働き、HD598がようやく実力を発揮し始めた、という感覚を受けました。
試しにLINN MAJIKの内蔵ヘッドフォンアンプとも比べてみました。
ヘッドホンアンプとしてのゲインがだいぶ違うのか、ボリューム位置はだいぶ上げないと同じ音量になりません。
DigiFiがボリューム表示で7、MAJIKの内蔵アンプだと23くらいで同じ音量です。
それだけDigiFiのほうがパワーがある、ということになります。
ただ、音になるとそう話は単純ではなく、内蔵アンプはやはり電源の余裕なのか、音量を揃えて比べれば、MAJIKのほうが音の厚みや迫力などが一段上に感じます。
ただ、解像度についてはDigiFiのほうが高く、現代的な音質です。
MAJIKのヘッドホンアンプは当時のプリメインとしてはそこそこだったはずですから、最近の単体の据え置き型ヘッドホンアンプと比べると、さすがのDigiFi付録もそのままでは勝ち目がないかもしれません。
ただ、電源とかオペアンプ交換、バランス駆動など、強化できるポイントも多いですから、そうした努力によってはエントリークラスの据え置き機もうかうかしていられないでしょう。
次に名前は伏せますが、とあるUSB-DACでRCA経由の接続を試しました。
すると残留ノイズがかなりすごいことに…。
この機材、USBバスパワー駆動で本来ボリュームも装備されていないので、パソコン側でボリュームを絞って接続したわけですが、機器のS/Nが芳しくないとこういうことも起きてしまいます。
もちろん音自体は決して悪くないのですが、これでは残留ノイズが多すぎて楽しめません。
USBバスパワーのDACだとそんなものなのだろうか?と、今度はALO Audio The Keyを使ってみました。
こちらはそもそも3.5mmミニジャック出力(ただしLINE OUTのみ)ですので、Audirvana Plusを使い、ハイレゾ再生をしてみます。
こちらは当然ながら残留ノイズは全く気になりません。
低域の厚みが素晴らしいのは相変わらずですし、高域がそれに負けないくらい、しっかり伸びているのも感じられます。
決して特性はそれほど優秀とは言えないThe Keyですが、音楽性の高さ、素直さが活きているようです。
そんなわけで、個人的には音質的なデメリットを差し引いても、一般的にはミニプラグでの使用のほうがオススメかなと感じました。
RCA接続でないとL/Rのマイナス側が分離されてないことになるわけですし、ボリュームがバイパスされることによる音質的なメリットも本来あるはずですが、接続する機器にちゃんとしたボリュームがないと、何より爆音の心配がありますし、S/Nの点でも実使用上の音量では3.5mmミニプラグを使ったほうが優位なのではないかと思うからです。
もちろん、以前のDigiFi付録のDACのように物理的なボリュームがある場合には問題ないですし、その性能をしっかり引き出すことができるとは思います。
要は無理にRCAにするより、機材に適した接続方法を選んだほうが良い、ということになりますね。
発売までまだ少し時間がありますが、今度はイヤフォンでの使用を色々なモデルで試してみようかなと思っています。