上海問屋のデジタルアンプ「DN-CGT5」ですが、まだエージングには早いものの、だいぶ聴きこんできたのもあるし、早めのレビュー記事を書いてみることにしました。
初期不良からの交換でしたが、今回は問題なく良い音を奏でてくれています。
デジタルアンプだから良いとか、逆にデジタルアンプは所詮…という先入観はあまりないつもりですが、ともかくコストパフォーマンスという点では優秀です。
パソコン周りの簡易的なシステムでの使用ですが、それなりのスピーカーを使えば、そこそこのプリメインアンプとも対抗できるんじゃないかと思えるくらいです。
ただ、それだけにコスト削減は外観などの作りにきていて、スピーカー端子や筐体がかなりチープですし、電源LEDが途中から点灯しなくなったりと、それなりの覚悟は必要です。
まぁ、LEDに関しては中華アンプはどれもまぶしすぎる傾向なので、消灯していてくれたほうがありがたいわけですが、一般的にはそういう問題でもないでしょうからね。
で、肝心の音質ですが、Topping TP21と比べてもやはりファーストインプレッション通り、Hi-Fiっぽい感じです。
Toppingは透明感は高いものの、やや金属的なところや神経質な鳴り方(高周波ノイズの影響?)をするところがあります。
その点、DN-CGT5はアナログアンプっぽい温かみもそこそこ持っています。
それでいて、音源の音質をしっかり聴き分けられたり、時折ハッとする音色を奏でてくれたりで、リビングでゆったり楽しむにはこちらのほうが良いかも。
個人的に音量を上げることはあまりありませんが、パワー感もしっかりあって、普通の音量で楽しむ範囲ならパワー不足を感じることはないと思います。
イコライジングについても早速試してみました。
いつものようにピンクノイズを使って聴感で調整しただけですから、主観もしっかり入っていますけど、ややかまぼこ型の印象通りのチューニングになってるようです。
ちなみにTP21の調整結果は下のような感じでした。
スピーカーの特性補正のほうがメインな印象で、どちらもわりとフラットです。
4kHzから8kHzあたりをほんの少し変えるだけでだいぶ印象が違うので、このあたりのコントロールがキーポイントのような気がします。
ここで、この機種の特徴でもあるバッテリー駆動も試してみました。
単3電池8本を本体に格納できるわけですが、実質的には12Vで使うわけで、消費電力の少ないデジタルアンプならでは、という機能です。
何本かは充電池も入れましたが、それでも駆動には問題ありませんでした。
なお、マニュアルにも記載はありませんが、電池駆動時は念のため、ACアダプタは外しておいたほうが良いと思われます。
バッテリー駆動で聴いてみると、帯域がやや狭くなる印象がありました。
ここはやはり電圧が下がったことによるのかもしれません。
これにより、ややまろやかになりますが、電源のきれいさもあり、ノイズが減っている気がします。
これで上品な響きになってくれますが、立ち上がりのパワー感はやはりACのほうがありますし、乾電池での駆動は予備的な印象かな。
より強力な電流供給能力を持った外部電源を用意すれば、さらに音質改善できるかもしれません。
その点ではむしろ、付属のACアダプタの変更を考えたほうが良いかも。
付属のは12V2Aのスイッチング電源ですが、パソコン用やオーディオ用のものが用意できれば、もっと良いでしょう。
ただし、本体の価格を超えてしまうことも大いにあるわけで、そこが考えどころではあります。
AudioDesignのDCA-12Vなんてまさに最適そうですが、高いですからねぇ。
個人的にはmeltecのポータブル電源でDC駆動するのが面白そうかなぁと思います。
ただ、全般的にはそのままでも立派に価格以上の働きをしてくれます。
品質面だけが課題ですが、そのあたりも含めて楽しめる方にはオススメのアンプです。
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