茶楽音人のイヤフォン「Donguri-楽(RAKU)」の期間限定バージョン、「濃茶」が発売されたタイミングでお借りすることができました。
正直な話、濃茶はただの色違いモデルだと当初は勘違いしていたんですよね。
鐘のほうは見るからに新しいですけど、濃茶はよく見ないと違いが分からないですし。
楽のノーマルモデルも以前お借りしましたが今は手元にありませんから、鐘との比較写真を載せつつ、気づいた違いを挙げますとどうやら透明な部分のハウジングが少しだけ大きく太いんじゃないかと。
仕様上はインピーダンスも周波数特性も重量もノーマルモデルと全く同じなんですけどね。
公式には「ロックミュージックの心地よい低音域を再現するチューニングを施し」たとあります。
そのサウンドの件はこれまた鐘と同じくエージング前ですので後で軽く触れることにして、まずはパッケージを紹介していきます。
ノーマルモデルと基本的には同じ内容で、本体にはComply T-200のMサイズが装着済みです。
ただ、お馴染みの収納缶のほうにはノーマルモデルに入っているL型接続コードとクロス、取説以外に、白い軸のSpinFitイヤーチップ S/M/Lサイズが付属しています。
音茶楽ブランドのはたしか黄色い軸だったと思いますが、鐘には赤、そしてこの濃茶には白いのが付属している形です。
赤バージョンはフジヤエービックさんでも売ってるようですけど、この白いのが欲しい場合は今のところ、濃茶を手に入れるしかないわけですね。
さてその「異なる音質」ですけども、エージング前に一聴しても以前お借りした楽とは違うのは分かります。
低域と言いますか、中低域辺りからぐっと厚さが増したような感じです。
喩えが良いかどうかはわかりませんけど、太鼓の大きさが大きくなったような感覚ですね。
ノーマルモデルの楽でも私自身は低域不足は感じませんでしたが、だからといって濃茶が過多と感じるわけでもなく、むしろ普段あまり聴かないロックっぽい曲調がノリ良く楽しめるのに驚かされました。
音全体の方向性は楽ノーマルモデルに近いもので、素直なサウンドバランスの上に心地よい低域の厚みを増したようなものです。
鐘と比べると解像感は多少劣るものの、横方向への音の広がりはむしろ楽のほうがあるくらいで、実際、耳に挿しているとハウジングが微妙に振動しているのが伝わってくるのは濃茶のほうです。
その楽しい方向性の箱鳴りを良しと感じるのであれば、楽のほうが文字通り音楽を気軽に楽しめるのではないかと。
とりわけ他のイヤフォンと比べると閉塞感が少ないのが特徴で、これもDonguri独特の良点だと思います。
現段階では両者ともエージング前ではありますが、Donguriらしさがより強く出ているのはむしろ濃茶のほうかもしれません。
次回以降は鐘も含め、他のイヤフォンと比較試聴しつつ、それぞれの音の特徴をレビューしていければと思います。