SAECさんから電源ケーブルといっしょにDynamic Motionのイヤフォン「DM008P」もお借りしました。
Dynamic MotionはSAECが代理店となっている韓国のヘッドフォンブランドですが、今回のDM008Pは既発のDM008をベースにSAECがチューニングに参加して共同開発したプレミアム・エディションという形になります。
具体的には外装全体を削り出しのアルミ合金とし、それに合わせた最適化チューニングを施したもので、筐体の色もシルバーになり、ケーブルもダークグレーに色が変わっています。
見かけはごく一般的なカナル型ヘッドホンなんですが、音を聴いてどうも他とはだいぶ違うなぁと思って調べてみると「Power Dynamic Driver」と呼ばれる独自の振動板なんだそうです。
このドライバー、基本的にはダイナミック型ですが外周部にリング状のネオジウムマグネットを配置する構造になっていて、小口径でも比較的大型のマグネットを使用できるという特徴があるんだとか。
素人目には昔の国産スピーカーに多かったドーム型スピーカーユニットみたいな感じに見えましたが、正しい構造はリンク先の画像を参照ください。
パッケージはイヤフォンとケースが主なもので、ケースの中には各種のイヤーピースが3サイズで入っています。
借り物なので今回もケースはタッパーウェアで代用して、付属のは使っていませんけど、イヤーピースは交換してみようかなと思ってますが、まずは標準で付いていたシリコンタイプのものを使用してみています。
L/Rが非常に分かりやすいデザイン(っていうか書いてある)も特徴的ですが、きしめんっぽいケーブルもわりと珍しいかも。
弾性が結構あるし形状的に絡みづらいのかなと思いましたが、実際にはそこそこ絡むこともあります。
また、タッチノイズもそこそこありますが、どちらも標準的なイヤフォンと同等程度で特に持ち歩きに支障があるようなものではありません。
遮音性もイヤーピース次第だと思いますが、ortofonのe-Q5と同程度ですからこれも一般的なレベルではないかと思われます。
音質についてはもう少しエージングが進んだ次回以降、書こうと思っていますが、比較的低域が厚めのピラミッドバランスの印象です。
また、最低域の伸びが素晴らしいだけでなく中低域も比較的厚いので、低域強めなのが苦手な人はちょっと気になるかもしれません。
特にこの中低域は装着の仕方でもずいぶん変化があって、ケーブルが真下に来るようにして少し深めに装着するとだいぶ控えめになります。
さらに、ケーブルを後ろから前に向いて挿すような感じにするとさらにバランスが良くなるようです。
低域の押しを強めたい場合には前寄りにして、前から後ろという感じで挿すと低域が厚くなり、装着の具合での変化は比較的大きめのように感じます。
この辺りはイヤーピースやその人ごとの耳の形にも依存しそうですから、次回以降、エージングが進んだ時点でイヤーピースを交換してみつつ追試したいと思っています。
ただ、全般的にはiPhone直挿しですら重厚な音で、ただならぬ実力の偏歴も感じ始めています。
イヤフォンらしくなく、ヘッドフォンっぽさも持ちつつも形状はカナルという不思議な印象なのはやはり「Power Dynamic Driver」という新しいドライバ形式によるものでしょう。
その上で、同じくお借りしているSAECの電源ケーブルとなんとなく音作りの傾向が似ている辺りも面白いところです。
同社は「Balanced Dynamic Driver」や「Ergo Dynamic Driver」といった独自ドライバー技術をたくさん持っているそうで、秋に向けてこれらを使ったモデルも計画しているそうですから、そちらも楽しみです。
SAECは自社でリケーブル製品も出していますし、できればそちらはぜひMMCXプラグで出してくれたら嬉しいなと思いますけどね。
次回は少しエージングが進んで、音質や手持ちのイヤフォンとの比較などをレポートしてみたいと思っています。