EFFECT Audioのイヤホン用ケーブル「ARES S II」を入手しました。
うちにもある「ARES S」の後継モデルで、最初は「どうせ分岐部のデザインが変わった程度でしょ」と思っていたのですが、上位のErosとは違ってARES S IIはそもそも4芯から8芯になっているのが分かり入手することにしました。
ちなみに単純に倍になってるわけではなく、それぞれの線の太さは24AWG→26AWGとちょっと細くなっています。
Ares S 8Wireは24AWGのまま8芯になってたのでそれとは異なりますけど、そのかわりSolid Core technologyという異なる太さの銅線を2パターン組み合わせたWireを使ってあるんだとか。
26AWGはEROS Sでも同様だったので取り回しにはこっちのほうが良いのは分かっていましたし、実際に使ってみても従来の4芯のARES Sより取り回しが良いくらいです。
なおARES Sではケースが付属しましたが、ARES S IIには付属しません。
まずは初代Maverickで動作確認してみました。
それまで先代のARES Sを使っていたわけですが、その時よりも繊細さが出たような印象です。
滑らかさがアップして透明感が高い感じになり、そのかわりにゴリゴリした感じはちょっと減ったようです。
高域側もサラッとした雰囲気で、上品なサウンドという点でスピーカーケーブルのQED Revelationをふと思い出しました。
低域はRevelationよりもうちょっとしっかり出るバランスですが、出過ぎることはなくフラットです。
ただ聴いていて感じるのはそうした周波数特性的な変化よりも、細部の描写や静寂感などの向上が強い印象です。
音場も散漫になりすぎず適度に広くて位置の精度が高いのは、左右差とか接触抵抗、浮遊容量などがしっかり揃ってる証拠でしょう。
ここで一旦、先代のARES Sに戻してみます。
装着感の違いからか音はちょっと外に広がる感じがありますが、キツさがあって音が硬いです。
低域はたしかにドンと出ますが厚みとしては意外に薄口で、帯域が全体に狭くなったような感覚すらあります。
ベースのキレは良く全体的に元気がある感じではあって、そこは線の太さが貢献しているのかもしれませんが、ARES S IIと比較するとやはり雑然と鳴る傾向は感じられます。
次はConXでMMCXに変更してMaverick Tiに装着しましたが、こちらはちょっと優しすぎるようで相性がイマイチかな。
結局すぐに2pinに戻して初代のほうにARES S IIを割り当てることにしました。
こちらだと初代Maverickが一気に現代的になるので、ちょうど欠点を埋め合わせる組み合わせになっているのでしょう。
音の精度が高くモニタとしての実力が高まりつつ、とにかく音の質感が自然になります。
変に響きを乗せず、それでいて乾きすぎないのが良い感じです。
Maverick Tiのほうには先代のARES S(それまではAres II+だった)を割り当ててみました。
こちらは広がりが出て低域が少し強まってがっしりするのでこのほうが元々低域が少なめのTiとの相性は良さそうです。
装着感は若干改善の余地はありますが、極太のAres II+よりはマシですし、あとはイヤーピースで調整できるはずです。
欲を言えばTermXが使えるケーブルも欲しいですが、2.5mmは衰退してきましたし、当面は4.4mmで十分かな。
むしろqdcで使えるとありがたいんですけど、そこはやっぱり難しいんでしょうね。