ElfidelityのSATA用のノイズフィルター「AXF-94」を購入してみました。
ご想像のとおり、SATAで接続するHDDやSSDとコネクタの間に挿入してノイズ軽減しようというオーディオ向けと限定して良いであろうPCパーツです。
同社からはメモリスロットやPCIスロットに挿す同様のものなどが出ていて、KITSUNE HIFIでも取り扱いがあるようです。
部品はほぼコンデンサのようですし、Power Filterと名乗ってますからおそらく電源ラインのみに有効で信号ラインは素通りでしょう。
電源ラインもSATAでは3.3V/5V/12Vと3種類ありますから、それら全てに有効かは不明です。
デスクトップ用のHDDだと12Vが主流で、SSDやノート向けHDDは5V(SSDは一部3.3V?)なので、つなぐドライブによって効果に違いがある可能性はありそうです。
ちょうど変換アダプタのような感じで挟むわけですが、大きさはデスクトップ用HDDを想定してるのでSSDだとかなり大きく感じます。
うちではDELAのオーディオ用NASに使ってみようというわけですが、本来のマウントのままだとマウンタと干渉するのでちょっと工夫が必要です。
そもそもすでにSSDに換装してあるので、そっちの変換アダプタ兼マウンタと経るのもちょっとなので、元のマウントのHDDに積む形で実装しました。
上蓋ともギリギリなので念のためシリコンテープで保護もしておきました。
まず動作に関しては無事に問題なく稼働してくれています。
稀にコントローラアプリからDELAを見失うことがありましたが、それはたぶん別の要因(ハブとか)だろうと思いますが、なにしろ保証外の使い方ですので、そこは自己責任で。(そもそもSSDに換装してる時点で保証外ですが。)
音の変化ですが縦方向の音場が広がって、いわゆるサウンドステージが広くなったというのが第一印象です。
音のシャワーのような感覚があって粒立ちがとても細かくなって緻密ですが、とても穏やかでクセがないので個人的には成功かなと。
ゴツゴツした感じがなく、かといって無用に丸味を帯びてもいないので、HDDからSSDに換装したのと方向性は似ていますから、HDDの音傾向が好みな方にはやや向かない部分があるかも。
ビット数が増えて(ハイレゾになって)分解能が上がったような印象もあり、マイナス要素は少ないようです。
それだけDELAの電源も結構ノイズが出ているとも言えそうですけど。
他の要素もあるかもなので推測に過ぎませんが、DELAといっしょにつないでいるPC系の電源ノイズをEMI Meterで見た場合の数値も以前より下がった(以前は100mV前後で現在は40mVくらい)ような気もします。
あえてマイナスポイントを挙げるとすれば、場合によって中高域がちょっと強くなったような気がするケースがあります。
ノイズをコンデンサで吸収するのでしょうがそれを消費させる部分がLED点滅なので、溜まりすぎた時や点滅に伴う別のノイズが出てくる部分もないとは言えないでしょう。
最近はRoon等でパソコンベースでオーディオに取り組んでいる方も増えているようですし、ちょっと試してみるのも面白いかと。
なにしろお値段は普通のPCパーツよりも安いくらいですし。
ただ何度も書いていますが、かなり怪しげなアクセサリではありますし場合によってはドライブやPC等の機材を破損する可能性もありますので、そこは自己責任でお願いします。