ちょっと試してみたいことがあってデジタル電磁界強度テスタ「EMF-823」をゲットしてみました。
この手のグッズはやや怪しげなところがあるものが多いのですが、その中ではこれは普通な感じでしょうか。
電磁界強度と言いつつ、ほぼ完全に磁界強度を測るだけですし、低周波主体のようですけども。
とりあえず動作確認に消磁器「RD-3」に載せて試したところ、ちゃんと磁界強度が変化している様子が観測できました。
ちなみに部屋の普通のところでは0.01μT程度です。
1μTくらいから気にされる方もいらっしゃるようですが、人体に影響があるのは100〜200μT以上が常時掛かっているような環境のみかと思われます。
高周波だとまた違うかもしれませんし、医学的な見解ではありませんのでご参考まで。
使いたかったのはいつものようにオーディオでして、機器やケーブル類が出すノイズや磁束漏れを聴感ではなくしっかり計測して客観的に評価してみたいなと。
オーディオ機器の中で意外に高かったのはSACDプレーヤー「DP-77」の周りで正面で0.09μT、上の段のレコードプレーヤーの下辺りでは0.20μTくらいを示しています。
レコードプレーヤーはまさにこの上がカートリッジになりますし、さすがにこのくらいになると音にも影響が出るレベルのはずです。
CDプレーヤーの電源を切っておけば0ですし、普段はレコード再生時に点けておくことはないのでそういう意味では気にしなくても良いのですけどね。
ちなみにパソコン周りもやや気になってましたが、液晶ディスプレイ正面はくっつけても0.04μT、
Mac Pro本体はさすがにやや高くて0.26μTですが、どちらも配置を考えれば全く問題にならないレベルだと思います。
ただ、この計測器では高周波は測れていないでしょうし、USB3.0ケーブル付近は思ったとおり高く、0.65μTくらい出ています。
これだからUSBオーディオの高音質化は難しいはすですね。
また意外なことにパソコン周りでいちばん高かったのはSoundgenic用に使っている定電圧電源で、こちらは5.5μTくらいを示します。
おそらくトランスの磁束漏れだろうと思いますが、リニア電源なら音が良いとは一概に言えないのかな?という印象がありました。
参考までにパワーアンプのトランス直上でも測りましたが、0.24μT程度でやはり設計の違いが如実に出ています。
さて次に電源ケーブルの磁界強度を測ってみます。
消費電力が多いほうが当然電流が多くなるので磁界強度も強くなるわけで、パワーアンプに使っている「POWER SENSUAL MD」が最初のターゲットとなりました。
電源投入時に瞬間最大3.55μTくらいまで上がりますが、その後は安定して1.3〜1.58μTくらいとなります。(ケーブルにくっつけた状態で。)
他の機材の電源ケーブルでは0.1〜0.2μTくらいがせいぜいで、電源タップでも1.44μT程度です。
そこでMDユニット部分を計測してみますとこちらは0.12μTくらいと大きく減衰しているのが分かります。
もちろん距離で大きく減衰するわけですから、同じくらい距離を離して電源ケーブル近辺を測ってみると0.48μTくらいなので、やはりMDユニットで磁界強度は下がっていることが分かりました。
他にもエアコンの電源ケーブルなども気になっていたのですが、これが意外にも低く、ぺったりくっつけても0.14μT程度です。
ただ、普通の機材はケーブル部分よりもコンセントプラグの辺りで高めの値を示す傾向が見受けられました。
逆にNCFプラグはその周辺でMDユニットのように大きく減衰するので、こうした部分への配慮が重要なようです。
もうひとつ気になったのはさきほども掲載した電源タップ側面辺りの磁界強度ですが、パワーアンプを接続している近辺だけ0.55μTと高めの値を示します。
RTP-4 absolute導入時にアンプ系とデジタル系の電源タップを並列に置くといまひとつで、ややずらして置いていたのですが、どうやらこの部分の干渉を感知していたのかも。
あとは一般家電なども調べてみましたが、LEDシーリングライトは最大でも0.8程度でさほど気になるものではなかったですが、一部に残っている蛍光灯はやはりノイズが多いのか、場所によって3.5〜5.5μTくらいを計測する部位がありました。
もちろんこれは磁界強度の観点のみなので、電源ラインに流れ込むノイズなどはまた別物ですけどね。
こんな感じで計測してみて大事なのは電源プラグ近辺や大電流を扱う電源ケーブル、そのタップなのかなと。
その知見を踏まえて、今度は対策を講じていこうと思います。