ESOTERICからフォノイコライザーアンプ「E-02」が7/20に発売だそうで。
これまで「E-03」があってこれも40万円となかなかに高級なフォノアンプだったのですが、今回のE-02は65万円とさらに上位のモデルとなっています。
E-03は2009年の発売ですから世代的にもだいぶ違いがあるので内部構造も全く違っていて面白いですね。
むしろE-03のほうがシンメトリカルなデュアルモノラルという内部配置で、今回のE-02は正面から見て左半分を電源部、右側にアンプ回路を左右分離で上下に積み重ねた感じになっています。
筐体サイズにある程度制限があるでしょうから、アンプ基板が大きくなってこの配置がベストと判断したのでしょう。
ちなみに外観はW445×H131×D377mm(突起部含む)で12.5kgで、E-03のW442×H103.5×D364.4mmの10.5kgと比べると、基板を重ねた影響もあってか高さが高くなってるのが目立ちます。
回路構成としては全段バランス伝送・増幅に主眼を置いているとのこと。
フォノケーブルもバランス伝送が一部で流行ってるようですし、それ自体は良い取り組みそうです。
ただ少し気になるのはMCヘッドアンプとRIAAアンプは同一基板となっていますし、全高調波歪率は0.007%(1kHz、MM、定格出力時)となっていて、下位モデルであるはずのE-03の0.003%から落ちているように見えます。
E-03はA weightなので低域・高域が無視されてるせいだとは思います。
ただ、今回のことに限らず、グラフで表示すればもっとスペックを見る価値も出てくると思うのですけどね。
背面の端子配列は内部がシンメトリカルでなくなったおかげもあって、わりと使いやすい配置になっています。
ただアース端子の位置はちょっと不便かなという気がしますし、RCAを2系統装備したならアース端子も2つ欲しかったかな。
XLR出力も当然追加されていますが、独自「ES-LINK Analog」という伝送形式にも切り替え可能で、その辺りはやはり自社プリアンプとの組み合わせを想定している印象が強く感じられます。
ちなみにXLR出力はMC専用だそうで、負荷インピーダンスの切り替えもMMでは47kΩのみで、E-03で用意されていた0pF、100pF、330pFの負荷容量変更もなくなっています。
これだけの高級フォノアンプですからMCでの使用が多いとは思いますが、RIAAカーブですらチョイスできるモデルも多い中、ややシンプルにまとめすぎかなという気もします。
どうせ割り切るなら完全にMC専用でも良かったのかもしれませんが、MMポジションはむしろ昇圧トランスを併用したい場合のために用意されてるような形なんでしょうね。
それを受けてか、MCカートリッジや昇圧トランスを消磁できる「DEMAG」機能も搭載されています。
ただしこれもあくまで簡易的なもののようで、レコードを30秒ほど再生するらしいので、内部で回路を切った上で入力側をショートさせた状態にする程度の可能性が高いですね。
全般的に「ここを推していきたいんだ」というポリシーがちょっと弱いような印象は受けますが、ESOTERICとして現在のアナログ再生にふさわしいフォノアンプを提示してきたのだと思いますし、同社ファンの方には良い選択肢が増えたのではないかと思います。
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