FiiOのUSB DAC内蔵ポータブルヘッドホンアンプ「Q1 Mark II」を導入してみました。
理由はiPhoneで気軽に、かつそこそこの音質で聴ける環境を用意したいという一点です。
新しいiPhoneにはLightning-3.5mmヘッドホンアダプタも付属しないようですし、かと言ってCHORD Mojoだとカメコネ経由ですからやや気軽さには欠けるかなと。
紗羅にも同様の環境を用意しないと…というのがあって、CHORD Mojoを試してもらったところ、気に入ったようなので私が別のを探すことになった、というのもありますけどね。
こちらはAppleのMFi認証もちゃんと取ってあるので、付属のmicroUSB-LightningケーブルのみでiPhoneとつなげます。
完全に携帯用途を想定したものですから、もうちょっと長いものがあったほうが良いかなぁという気もします。
断線した時の代わりが入手しやすいほうが良いですしね。
ちなみに昔使っていたCypher Labs Algorhythm SoloだとiPhoneからバッテリーを吸い取ってしまって異常にバッテリーが減ってしまう事態に陥ってましたが、さすがにそこは工夫されていて、iPhoneをつないだ場合はQ1 Mark II側のバッテリーで賄う形になります。
USB-DACとしてパソコンとつないだ場合はパソコン側から給電するようになるなど、なかなか良く考えられています。
お値段はちょっとしたLightning対応リケーブルと変わらない程度ですが、DACはAK4452搭載で、アンプ部もX7 Mark IIのAM3Aアンプモジュールとほぼ同等と、中華系の価格破壊はさすがのものがあります。
筐体の隅々を見るとやはりコストダウンの影は見えますが、ボリュームも電子ボリュームでギャングエラーやガリオームが出ない配慮がされていますし、iPhoneで使うには十分なスペックです。
難点を挙げるとすれば、ヘッドホン端子がかなり固めなので、挿し込みづらいのと、ヘッドホン側のプラグのメッキが削れるのでは?というところくらいでしょうか。
実際の音質ですが、さすがにMojoと同等には語れないものの、FiiOらしい実直な音を出してくれます。
モニター調というよりはリスニング向きに中低域がやや厚めの「ポタアン使ってますよ」という雰囲気はややあるものの、付属のアダプタとは比較にならないほど広帯域ですし、しっかりゆったり聴ける仕上がりだと思います。
充電用という意味もあると思いますが、パソコンと繋げるmicro-USBケーブルも付属していて、こちらでMacともつないでみましたが、音質的にはどうもこちらのほうがさらに良さが活きてくる印象はありました。
まぁMacではAudirvana Plus、iPhoneはほとんどTwitterやYouTubeですから、音源やソフトそのものも違うわけですが、より鮮度の高さが引き出せているように感じました。
DSD再生も試しましたが、こちらも安定していてiPhoneだけじゃなく、ノートパソコンにつないで使う用途にもお薦めできると思います。
実はまだまだスゴい特徴はいろいろありまして、そのひとつが2.5mmバランス出力でしょう。
あいにくウチには対応するケーブルやイヤフォンがないので試していませんが、この値段でそこまでやるのか!というのが率直な思いです。
また、3.5mmのほうはUSBからデジタルで入れない場合はライン入力として使うこともでき、まさにポタアンにもなってくれます。
こちらも試してみましたが、どちらかというとコストはDAC部分のほうに比重があるのかな、という印象は受けました。
イヤフォンだとほぼ気になることはありませんが、ヘッドホンですと比較的鳴らしやすいB&W P7でもパワー不足な感が出始めます。
公式の推奨インピーダンスは3.5mmのほうで16~100Ω、2.5mmのほうが16~150Ωだそうです。
Gain切替も用意されていますが、IE80SだとHighのほうが良い感じです。
Bass Boostもありますけど、こっちは軽く持ち上げる程度でやり過ぎ感はないですから、使い勝手は良いかと思われます。
私自身はIE80Sにも調整機構があるので使っていませんけどね。
全体的にはオーディオマニアというよりもっとライトユーザーに積極的に使ってもらって、良い音で音楽を楽しんでもらいたい機器かなと感じました。
Bluetoothも流行ってきてますが、やっぱりケーブルでつないで聴く音にはまだまだ敵わない部分が多いように思います。
せっかくの使い勝手も混雑しているところでは繋がりにくかったり、高音質のコーデックが使いにくかったりするでしょうし…。
これまでヘッドホン端子があるiPhoneをお使いの方で機種変更を検討されている方にも「周辺機器」としてオススメできるかなと感じています。