finalのアーム用バランサー「KKC-48」というのを見つけたのでゲットしてみました。
やじろべえみたいな形ですが、当時の通称は「案山子」だったそうで、カートリッジ・スタビライザーという表記のものもありますが、詳細はあまり良く分かりません。
現在、イヤホンなどを出しているfinalが出していたものだということは間違いないですけどね。
内容的にはアームの先端に取り付けることで横方向の振動への安定性を高めて、カンチレバーに不要な横振動が加わるのを低減させるものかと。
当時はSAECやSMEのトーンアームで良く使われたような記載を見かけましたが、S字には合わないでしょうし、本来ならストレートアームのほうが効果は出やすいのかも。
カートリッジ側から見れば横方向の振動は抑制されそうですけども、ラテラルバランスは結構崩れそうな気もしますが、それを言い出すとヘッドシェルの指掛けも付けないほうが良いことになりますからね。
ちなみに軸の根本辺りに取り付けるものはオーディオクラフト用に他社から出ていたりします。
こればっかりは使ってみないとなんとも言えませんので、まずは装着してみます。
余計な(失礼)ものが飛び出しているので、間違えて指を引っ掛けたりしないようにしないといけません。
重さも結構あって、軽いZYXでもSAEC WE-407/23のミドルマスウェイトでは結構ギリギリな感じでした。
重量を測るのを失念してしまいましたが、10g弱くらいではないかと感じました。
当然ラテラルや針圧などは再調整しまして早速聴いてみますと、思った以上に音の変化は大きいです。
簡単にいうと重量級ヘッドシェルの変化に似ていて骨太になる印象でしょうか。
また不思議なことにセパレーションが良くなって、当時の優秀録音盤を再生してみるとスピーカーの外まで、まるでサラウンドのように広がるようになりました。
かと言って位相がおかしくなったり中抜けしている印象は全くなく、むしろそれぞれの楽器の音色は濃さを増しています。
推測としては、左右の発電が正確になってトレーサビリティが向上したのかな?という感じです。
さきほどヘッドシェルによる変化に似ていると書きましたが、ターンテーブルのスタビライザーとも若干変化の方向性は似ている部分もあります。
それはおそらく共振が抑えられているのもあるでしょうが、素材の音色が乗る傾向も多少あるのかも。
KKC-48自体は左右の錘も含めてたぶんアルミだと思われますから、ここをクォーツレゾネーターに置き換えたりしても面白いかな?
ただ当初推測していた「おもしろグッズ」(またまた失礼)というよりは着実な改善が見込めるようです。
もっとも顕著だったのは、内周でのプリエコーが減少している盤があったことです。
WE-407/23はインサイドフォースキャンセラーの仕組みを流用して内周で針圧を微増させる仕組みがあるのですが、コレによってラテラルも含めて微妙にズレるような傾向を感じていたのですが、そこが軽減されているように推測しています。
他にも低域の音階がさらに明瞭になっていますし、少なくともZYX Ultimate 100では外すことはないでしょう。
他のカートリッジでは重量の都合で付けられない可能性もありますから、本来なら標準のウェイトも手に入れたいのですが価格的に厳しいですねぇ。
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