GOLDMUNDのスパイク受け「MG-60」をゲットしてみました。
ゴールドムンドというと以前にYラグ-バナナ変換プラグを入手して、音が悪くなると言われがちのバナナでもこれだけ両立な音を生み出してくれるのか、と感心したものです。
機材はなかなか手が届く代物ではありませんが、これならなんとか…と入手してみることにしました。
ちなみに世代としてはステラヴォックスが輸入代理店だった時代のものです。
これもバナナプラグと同様で、ステラ時代のものはその後、TechDAS名義で出てくる感じで、今回のもTechDASの「Insulation Base」が見かけは良く似ています。
TechDASのほうは超々ジュラルミンをDLC処理してあって、直径はMG-60とほぼ同じ59mmですが重さは85gとわりと軽めです。
MG-60は直径が58mm、重さは1個で240gもあります。
素材については不明ですが、おそらく真鍮辺りではないかと予想されます。
当時のお値段は48,000円とスパイク受けとしてはかなりの高級品なのはさすがゴールドムンドですが、TechDASのほうはそんなもんじゃない価格(158,000円)となってます。
また、GOLDMUNDのほうも現在は「MMカーボンベース」というものになっていて、そちらはステンレスとカーボンのハイブリッドで全く構造も異なります。
底面はハイポリマーっぽい素材が付いていますが、これについても詳細は不明です。
そもそも海外では売られていた形跡がないですし、ステラが出していた可能性も高いのではないでしょうか。
一応、箱には「IMPORTED」とは書かれてありますけどね。
さて能書きはそのくらいにして、パワーアンプ下のアイソレーションボードのスパイクの下に使ってみることにします。
これまではJ1 Projectを使っていたわけですが、振動吸収の観点では良かったものの、ややデッドになりがちだった部分がありました。
そこをMG-60に変更したところ、一聴して艶が出てGOLDMUNDらしさが感じられたのはちょっとニンマリしてしまいます。
金属的な響きがやや乗っている部分も当初はありましたが、落ち着いてくるとそれも減って縮こまった圧迫感がなく、開放的で音抜けも良くなりました。
なにより前後の音場が広がっていますし、横方向も無闇には広がり過ぎずウェルバランスで、さらに縦方向の音像に精度すら感じられます。
GOLDMUNDらしいスピード感もあって、ピアノの打鍵がとてもリアルになっています。
そのピアノがとりわけ変化が大きくて、アタックも余韻もタイムアライメントがしっかりしたのか、淀みなく流れていきます。
もちろんピアノ以外でも変化はかなり顕著で、スタジオノイズがややあるアルバムなどもこれまではヘッドフォンでやっと気付く程度だったものが、スピーカーでもしっかり聴き取れるようになっています。
もちろん音量はこれまで通りなわけで、こういうところがオーディオの不思議で深い部分ですね。
反面、設置からしばらく馴染むのには時間が掛かるようです。
また重量もあまり軽量では効果が出づらいような感じですし、今回の配置はそういう意味でも正解だったと言えるでしょう。
落ち着いてくることで、だんだん音に芯が通ってきますし、金属的な響きも治まって、フワッとした独特の空気感が感じられるようになります。
主に防音対策のために使っているオトユカフロアは全体的には効果が高いものの、低域がやや滲むというかボヤける傾向があるのですが、そこが見事に解消され、最低域が緩まずにキレが良くなっています。
前述のように、ソースや音源の違いがより明瞭になってくれましたし、ややドライさを感じ気味だったAKURATE DSの良い部分を伸ばし、その上で潤いのあるサウンドになったのは予想以上の成果でした。
それだけ現代的な音傾向に対応できるようになったのだと思われますが、もちろんレコードでもしっかり潤いが感じられ、そつのない仕上がりに満足です。
個人的にはスパイクはあまり好みでないケースが多かったのですが、それはスパイク受けのチョイスによる部分が大きいのかなという認識も出てきました。
入手性の良い品ではありませんし、出物があっても決して安くはないと思いますが個人的にはかなりお気に入りの逸品になった気がしています。
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