ひさご電材さんからお借りしたGOURDブランドの電源ケーブル「GCP-660」を試させていただきました。
実はこのケーブルも導入候補になっていたもので、結果的にはAccuphase APL-1をチョイスしたんですが、やっぱり気になっていたんですよね。
同社の電源ケーブルにはGCP-600というのもありますが、これは3Pタイプでそれをアース線+2Pプラグにしたものです。
今回試すにあたっては普段、Accuphase APL-1を使っているLINN LK140で使用してみました。
APL-1と太さは似た感じですけど、プラグ類が一回りごっつくて黒ナイロン編組もついていますから、いかにもオーディオ用ケーブルといった見た目です。
APL-1でもIECプラグが重すぎて下がってきがちでして、いつも下にスタビライザー(という名の支え)を置いてるくらいですから、作りのしっかりしたインレットの製品でない場合は取り回しに注意かもですね。
ナイロン網組は使ってるとやや毛羽立ちそうな気もしましたが、今回の試用では大丈夫でした。
線材自体はAPL-1が太さのわりにかなりしなやかということもあり、やや硬めに感じますけど、このクラスの電源ケーブルの中ではむしろ扱いやすい柔軟さだと思います。
それでもやっぱりプラグ部分がごっついのでコンセントで極性を合わせようと撚る場合に少し力が必要でしたけれど。
特に2Pコンセント側は太さも手伝って、トリプルコンセントなどでは挿しづらい可能性もあるでしょう。
さて早速のサウンドですが、APL-1と比べると高域がやや華やかになり、モニター寄りの音色となりました。
まだ少し硬さが見られるのはエージングが不足しているのかもしれません。
逆に低域の沈み込む力強さは少々影を潜めたところがあり、LK140のような音色傾向の場合だとAPL-1のほうが相性が良いかな。
ここで普段のAccuphase APL-1に戻してみると、低域が地を揺らす感覚が戻ってきます。
逆に高域自体は交換した時に感じたほど大きくは違わず、むしろこの低域の違いが音色の違いとして全体に表出しているように思います。
その影響もあるのか、APL-1はピアノの艶やボーカルのリバーブが芳醇で、GCP-660のほうはもう少しドライな音のまとめ方です。
音像としてはAPL-1のほうがシャープで、GCP-660は緩やかな膨らみを保たせてあり、意外と方向性に違いがあるものだなと感じました。
先日の光ファイバーケーブルもそうでしたが、GOURDのケーブルは全般的にしっかり調整されたライブハウスのPAのような臨場感を感じさせる音作りになっているような印象を持ちました。
これまでにいろんな電源ケーブルを使ってきましたが、その中ではZonotoneのに近い雰囲気でしょうか。
全体的に日本流のサウンドチューニングの風合いを感じるものですし、どちらかと言うと国産機材のほうが適しているのでしょう。
価格帯的に見ても、国産アンプの付属ケーブルからのグレードアップにちょうど良いのではないかと思いますので、あとは音傾向の好み次第で選ぶ形かと。
そういった場合の試聴の仕組みが何かあるとユーザーさんもチョイスしやすいのかな、とも感じました。