ひさご電材さんのオリジナルブランド、GOURDの光ファイバーケーブル「NUMERO 1357TT」をお借りしました。
GOURDというブランドはオーディオマニアでもまだまだ知名度が高くないと思いますが、ひさご=ひょうたん=GOURDということで付けられたブランド名だそうです。
ケーブルの世界では非常に歴史あるメーカーさんで、HISAGOブランドのケーブルも以前から出していますね。
今回お借りした1357TT、実はサブシステムのCDプレーヤーからDACまでの接続用に購入を検討していたものだったんです。
そこで無理を言ってメーカーさんに直訴して貸していただける形になった次第です。
価格的にグラスファイバーではありませんが、上の写真のように200MHzまで対応という広帯域対応のPOFを使用したものだそうで、面白いのは末端が球面処理されているところかと。
その昔、学生時代に光ファイバーの終端反射のことを講義で聞いた記憶がありますし、仕事がらみで某通信メーカーさんとの情報交換の場でも良くその辺りの話題が出てくることがあります。
それにしても球面にするというのは結構大胆な加工のような気もしますが、TOSLINKは端子の構造上からして一般的な光ファイバーとは違う要素がずいぶん多いですからね。
まずは当初の購入候補の通り、サブシステムでCDプレーヤーとDACの間にセッティングしてみます。
取り回しはそれまで使っていたortofonのOPT-100以上に扱いやすく、柔らかくしなやかですし、コネクタに緩みが出がちなTOSLINKにしてはしっかり固定されます。
一聴したところ、つい音量を上げたくなるような優しい音ではあるのですが、何故かどことなく物足りなさも伴う雰囲気です。
後述しますが、CHORDのような音楽性の高さを意識しているのだろうなと思うのですが、ちょっとそれを意識しすぎて、作られたサウンドになっている傾向があるように思います。
サブシステムに限っていえば、それが悪い方向に出て、低域が少なめで高域も冴えが薄いために全体にナローレンジに感じます。
実際に特性ベースで耳をやってみると実際にはそこそこ帯域は出ているのですけど、聴感上ではどういうわけか、こもっているようにすら聴こえるケースがありました。
同じDACに別のプレーヤーからAtlasの同軸ケーブル「Element」で繋いで比較してみましたが、これとはかなり対極の音作りのようです。
Elementは素直にシャープでありつつエッジを効かせる傾向で、1357TTは音作りありきで少し耳当たりの良さを整えたような方向性に感じました。
相性の問題かもしれないということで、今度はメインシステムに移動です。
ここではいつものX-DDCとATOLLのDAC間で使用します。
こちらはハイレゾ対応環境ですので、Audirvana Plus経由で24bit/192kHzを入れてみますが、かなりの頻度でノイズが入ります。
SPDIF自体、レシーバーの問題などで96kHzまでしか保証されていない場合が多いのである意味仕方ないのですが、ortofonではここまでノイズは出なかったんですよね。
192kHzで問題が出たのはX-DDCのコネクタがだいぶ緩めだったことや球面処理の末端加工が機器間の相性があるのかもしれませんね。
なお、96kHzは問題なく再生できましたので、仕様上はしっかりクリアしています。
192kHzの件はそれくらいにして、CD品質の音源でチェックを続けます。
サブシステムの時は音作りの傾向がかなり強かったですが、メインではそれほどそういった傾向は目立ちません。
むしろ逆にやや演色的な派手さが乗るくらいですが、それも軽い味付け程度で悪くない雰囲気です。
こちらもX-DDCから同様に接続したCHORDの同軸ケーブルと比較してみましたが、やや雑味は多いものの、価格差を考えると健闘しているなと感じます。
結果的には導入先として考えていた場所との相性はイマイチという結果となってしまいましたし、192kHz対応の弱さなどがやや気になる形となりました。
あえて音質の件を中心に触れましたが、ケーブル本体だけでなくパッケージなども上品なものですし、光デジタル出力しかないCDプレーヤーなどで、16bit/44.1kHzを使う場合にはローコストで仕上げと取り回しの良い製品だとは思います。
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