先日導入したMR-411ですが、EMPIREの他にもカートリッジが付いていて、それがGraceのF-8Eでした。
昔、MR-411を使っていた頃にもF-8Lを使っていたので、これは懐かしさもひとしおです。
針もちゃんと(?)付属していたんですが、お店はオーディオの知識が全くないのもあり、なんと電源ケーブルやRCAケーブルといっしょに針が入っていて、F-8Eの緑のスタイラスの針先はぐにゃぐにゃに…。
まぁ元々からこうなってた可能性もありますけどね。
それなら互換の交換針を…と思ったんですが、実はこれが存在しないんです。
以前はナガオカが出してたようですけど、今はJICOにも何処にもありません。
品川無線自体がまだ残っていて、そこに頼めば純正のが買えるという情報もありますが、エンパイアみたいに本体が壊れている可能性もありますからねぇ。
ということで半分諦めかけていたところ、三菱の3D-33Mで代用できる、という情報を見つけました。
これならナガオカから出ている、ということで入手してみました。
比べてみると面構えは全く違いますけど、接合部はどうやらかなり類似しているようです。
やや硬めでしたが、グイッと挿入するとちゃんと収まりました。
ただし、プラスチック部分は隙間ありですし、ひび割れもしましたけどね。
なお、使えるといっても故障の危険や大事なディスクを傷つける可能性もありますので、あくまでも自己責任で実施してください。
この針を使うDMC-8700の適正針圧は3.5gで、F-8Eの針圧は1~2.5g、適正針圧は1.5gですから、どこに合わせるべきか悩みました。
とりあえず2.2gで試してみると、昔持っていたF-8Lに近い印象で、そこそこ再現できています。
続いて2.5gと重くしてみると、少し大人しくなって高域の伸びが抑えられてしまったようですから、重すぎのような印象です。
それならばと針圧2.0gにしてみたら、より軽快に高域、低域が伸びたようでトレースにも問題なさそうですから、とりあえずこれをこの組み合わせの適正針圧としようかと。
ちなみにヘッドシェルにはGraceのHS-4が付いていましたが、実はGraceのヘッドシェルは左右の表記が逆(こっちがJIS規格通りらしい)なので、最初は左右反対に音が出て針のせいか?とビックリしました。
さて、しばらくこれで使っていたんですが、荷物の中にGraceの交換針ケースが付いてたのを思い出しました。
こちらも荷物の中で暴れていて、針先が折れてるなぁと思い込んでたんですが、ルーペで見てみるといやはや、まだ針先が残ってるじゃないですか。
こちらはクリアなスタイラスなので、まさに昔私が使っていたF-8Lということになりますが、まずはおそるおそる再生してみると問題なくまだまだ使えます。
それどころか、30年近く前に聴いたレコードを再生してみると、当時の思い出が走馬燈(違)のように蘇ってくるサウンドが広がります。
曲を覚えているのは当然として、カートリッジの音色まで記憶に残ってるものなんですね。
ということで結果的にはタイトルのF-8Eではなく、F-8Lになりました。
ところで、似非互換針と比べるともっと滑らかで穏やかなサウンドですが、3D-33Mのほうも鮮度が高くて弾むような感じでなかなか良好です。
とりあえず針が元気なうちはF-8Lで行くと思いますが、予備の針としての安心感があるのも良い感じです。