HEGELから「最後のCDプレーヤー」となるべく命名された「MOHICAN」が発売になっているようで。
USB-DAC機能はおろか、デジタル入力もなく、SACD対応もないCD専用機です。
ヘッドフォン端子もありませんが、XLRとRCA出力、それにBNCのデジタル出力は装備されているというストイックな仕様です。
ストイックさはそれだけではなく、AK4490を使いながらもアップサンプリングさえせず、純粋にCD仕様を貫いてあるんだとか。
その代わりというわけでもないでしょうが、SoundEngineという同社の特許技術を用いてクロックを制御することでジッターを大幅に低減してあるそうで、とにかく基本に忠実にCD再生に特化して仕上げてあるようです。
外観や内部構造はHEGELのこれまでのモデルを基本的に踏襲し、アナログ段も上位のDACとほぼ同等ですし、電源部もしっかりしてそうです。
ドライブはサンヨーのものをベースにサーボ部分も自社オリジナルとしたものとのことで、入手できるCDメカが少なくなった中で最大限の努力をしているようですね。
CDプレーヤーの登場でアナログプレーヤーは一気に衰退したわけですが、今頃になってレコードプレーヤーが再燃し、逆にCDのメカ供給が危うくなるとは思ってもみませんでした。
CDはまだ良いほうで、SACD用になるとさらに危険な状況のようです。
古いモデルの修理などはもっと悲惨で、あのアキュフェーズですら、ピックアップの在庫払拭で修理不可のモデルがどんどん増えてしまっています。
そんなAccuphaseもSACDプレーヤー「DP-560」を発売するそうで、こちらはSACD対応はもちろん、USB入力も32bit/384kHzまでのPCM、11.2896MHzまでのDSDに対応するなど、わりと最新路線を追従しています。
トランスポートは自社開発ですが、ピックアップは他社からの供給でしょうし、それなりの修理用在庫が確保できると判断してのチョイスだとは思われますが、これまでのような長期サポートができるか、という観点ではやや不安も残ります。
基板を見ても以前のような回路構成ではなくなってるように思えますし…。
ま、外観はあくまでもこれまで通りなんですけどね。
お値段はMOHICANが希望小売価格で50万円(税抜)、DP-560が60万円(税抜)と、比較的近い価格帯ですが、目指す方向性はずいぶん違うようです。
好みは分かれると思いますが、光学式の音楽メディアをまだまだ使っていきたいとお考えの方にとって、貴重な選択肢であるのは間違いないと感じた新製品です。
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